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広島〜愛媛〜高知・しまなみ海道と四国西部を迷走する

  前回 は自転車の故障のため途中で旅行を断念しなければなりませんでしたが、考えてみればその自転車は20年近く前に購入したのものでした。もう、無理だよね・・・。ということで、ついに廃車にしました(悲)。

 それでいい加減、懲りたらよいのですが、やはり懲りず(呆)、 また新しいランドナーを買ってしまいましたとさ。 不治の病は怖ろしい。

 買ったはよいのですが、諸般の事情でなかなか旅行には出られず、結局買ってから1年半以上経ってからになってしまったというチグハグさ。

 そして旅行自体もチグハグになってしまったという。何なんだかなぁ〜。

2011年11月13日(日)

 7時30分、自宅から出発。東京駅を目指す。

 東京都足立区に入って六町駅前を通過する。環七を越え、五反田駅の西で東武線の高架をくぐって、荒川の土手近くで国道4号に合流、南下する。このへんは慣れた道でどうということもない。

 北千住、上野、秋葉原と順調に走り、8時50分、東京駅八重洲南口前に到着。東京駅は工事中だった。自転車を分解する場所を探す。あまり駅から離れたところだと持っていくのが大変なので、駅正面のバス停脇の空いた場所で分解開始。バス待ちの人たちの視線が痛いがやむを得ず。

工事中の東京駅八重洲口
《工事中の東京駅八重洲口》

 この自転車を買ってから何回か自宅で分解の練習はしているが、これが本番(先代のランドナーでは輪行はほとんどしなかった)。

 9時45分、少し手間取ったが分解と輪行袋への収納完了。駅に入り、福山までの乗車券と新幹線の自由席特急券を自販機で買って改札を通る。

 荷物が重い。自転車が入った輪行袋とフロントキャリアに付けるバッグが2つ。あと背中にはPCが入ったナップザック。全部で多分20kgぐらいある。多過ぎ・・・。

荷物
《荷物》

 新幹線は一般の改札の他に、新幹線の改札も抜けなければならないのがめんどくさい。自動改札が狭くて通りにくい。ホームに上がれば自由席の乗車位置は端っこ。しんどい。

 この大荷物の置き場を確保したいので、すぐに発車する「のぞみ」は見送り、次の博多行「のぞみ25号」にする。自由席2号車の列に並ぶ。前は数人。座れそうではあるが。

のぞみ25号
《のぞみ25号》

 乗車。のぞみの車両は席が進行方向に向いた状態だと、最後部の席の後ろは荷物が置ける空間が空いている。首尾よく確保。うまい具合に納まった。新幹線への持ち込みも初めてだったが、一安心。席も確保。

荷物の配置状況
《荷物の配置状況》

 定刻10時10分発。乗車率は30~40%くらいだろうか。意外と空いている。外は晴れているが、少しガスっぽい。

 すぐに品川に着く。ここで座席が半分くらいまで埋まる。

 今回の旅の目的はとりあえず、しまなみ海道を渡ること。その後、四国西部を走ってから九州に渡り大分と宮崎を行くつもりだが、直前まで仕事に追われていたのでまともに計画を立てていないし、準備もしていない。そもそも今日出発できるかも自信がなかった。

 なので、宿もとっていない。早速持ってきたPCで新幹線の車内LANにつなぎ、ネットで今日と明日の分の宿を探す。場所は決めていて、今日が尾道、明日は大久野島というしまなみ海道からちょっと外れたところにある瀬戸内海に浮かぶ小さな島。大久野島には宿は一軒しかないが、ネットで予約が可能で昨晩空きがあることは確認していた。まず、その宿に予約を入れようとすると・・・、空きがなくなっていた。

 愕然とするが、ないものはない。なにせ一軒しかない宿なのでここがダメなら、大久野島には泊まれない。しかし、今回はしまなみ海道と同等くらいにここへ行くことを楽しみにしていたので、行かないという選択はない。

 頭に血が上りかけるのを感じながら、ネットで情報を集めて代替案を検討していたところ、対岸の大三島に格安の公共宿泊施設があることを発見。しかも、大久野島行のフェリー乗り場のすぐ近く。ただし、ネットからの予約はできないので後で電話をかけることにする。・・・不安だ。

 尾道の宿はネット予約であっさり確保。場所はJRの駅近くのようだ。少し落ち着き、弁当を食べる。

いろいろ散乱
《いろいろ散乱》

 そうこうしているうちに関ヶ原を通過。石田三成の居城があった佐和山のあたりで、急に曇る。

 新大阪でドッと乗客が増え、立つ人もでる。

 岡山に定刻13時30分着。福山へはここで乗り換え。降りたホームの反対側に次の列車が来るので階段を上り下りしなくてすむが、それにしても荷物とバラした自転車が重い。

 「さくら557号」に乗車。鹿児島中央行。そういえば九州新幹線が開通していたのだった。このまま終点まで乗っていれば鹿児島まで行けるんだ、と思う。3時間20分くらいで行けるらしい。行ってみたいような気がするが、行かない。次で降りるので座らずにデッキで立つ。13時46分発。

 福山に14時3分着。ホームからお城が見える。

福山でさくら557号を見送る
《福山でさくら557号を見送る》

 ヨタヨタとホームを降り、改札を抜けて駅南口に出る。

 駅前で自転車の組み立て開始。やはり福山の善男善女の視線が痛い。

 かなり手間取り、15時20分、福山駅南口を出発。

福山駅南口
《福山駅南口》

 今日は尾道で泊まるのだけど新幹線で尾道まで直行するのも芸がないので、手前の福山で降りて鞆の浦をまわってから行くことにしていた。とりあえず道路標識を頼りに進む。

 広島県道22号を行く。芦田川の橋を渡り、河口方面へ河川敷を走る。川の水面がすぐそこに見える。水量が少し増えたら、河川敷にあふれてきそう。

 芦田川大橋のたもとで川から離れ、再び県道22号を行く。少し雨が心配な雲行きになってきた。途中、大三島の公共宿泊施設に予約を入れなければいけないことを思い出し、携帯から電話。「泊まれる」とのことで一安心。これで明日の宿は確保できた。

 16時20分、鞆の浦に到着。11月のこととて、すでに陽は傾いている。あまり周辺を観てまわる時間はない。もう少し早く来れればと思う。

弁天島を望む
《弁天島を望む》

 鞆港に沿ってゆっくり走り、県道47号に入る。古い街並みが良い感じ。その分、道は狭く自動車の行き違いのための信号がいくつかある。

鞆港
《鞆港》

 Y字路にあたって右の新しめの道を選び、急坂を上ったところで道をまちがえたような気がしてくる。地図を持って来なかったし、経路確認もしていなかったので不安。後戻り。

 さっきのY字路を今度は左の旧道らしい方へ行く。集落の中を通っていくとまた急坂。上るとさっきの道に合流した。

 鞆の浦を後にし、引き続き県道47号を行く。これから今夜の宿泊地・尾道へ向かうのだけれど、あとどのくらい走ればよいのかわからない。

 このへんはまだ福山市内。沼隈という地区のスーパーのベンチで一休み。もう暗い。周辺に店や人家がわりと多い。このあたりの中心なんだろうか。

 さらに走ると徐々に寂しくなり、県道72号と分岐する交差点を左に進んでそのまま県道47号を行くとゆるい上りになり、明かりがほとんどなくなる。

 下りにかかるとまた人家が増えてくる。JRの松永駅近くまで来たところでマクドナルドを発見。入って無線LANでネットに接続し、地図で道を確認。ここまではとりあえずまちがっていないようだ。

 県道47号と別れて工業地帯と思しきところを走る。松永みなと大橋を渡って尾道市内に入り、JR山陽本線をくぐって国道2号に合流。腹が減っているが、よさそうな店が見当たらない。18時45分、コンビニに寄ってパンを買ってしのぐ。ちゃんとした夕食は尾道駅周辺で取るつもり。

 尾道大橋が見えてくる。そろそろ目的地のようでホッとする。

 19時20分、尾道駅前に到着。夕食をとるべく周辺をうろうろするが、閉まっている店が多くちょっと焦る。よくあるチェーン店ならやっているが、ここまで来てそんなところで食べたくない。

 駅から国道2号を西へ少し行ったところで居酒屋風の店を発見。海鮮丼を食べる。

 食事を終え、20時00分、出発。ホテルの位置はほぼ把握している。というか、駅の裏手の千光寺山の上にそれらしき建物があるのが見えている。しかし、どこから上っていったらよいのかがわからない。とにかく行けばなんとかなるだろうと山陽本線を渡ってその建物の真下あたりから上り始めるが、半分ぐらいまでどうやらたどりついたところで道がない。というか、道が階段で自転車が通れない。

 暗い坂道を右往左往した挙句、結局、国道2号に戻る。諦めて迂回路を探すことにする。県道363号線に入って山の東側から上り口を探る。

 1~2km走ったところで行けそうな道を見つけ、上りにかかる。疲れてもうペダルを踏むことができず、降りて自転車を押して歩く。

 満月が煌々と輝いている。旅の初日に何をやっているのやら。もう、お月様に笑っていただきたい気分。

 21時15分、ようやくホテルに到着。やはり山の下で見た、あの建物だった。フロントの美人に「自転車じゃ大変だったでしょう」といたわられる。

 部屋からの夜景はきれい。窓を開けて眺めていたら、蚊が入ってきて閉口する。11月だからと油断した。

尾道の夜景・1
《尾道の夜景・1》
尾道の夜景・2
《尾道の夜景・2》