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栃木〜群馬〜長野・失敗盛り沢山の旅

2009年 9月19日(土)

 7時40分、自宅を出て、7時59分のバスに乗る。日帰りで荷物はナップザック一つだけだった前回とは違い、今日から9日間の旅行なので持っていくものが多い。

 残念ながら事前に今日の宿は確保できなかった。現場対応とする。何とかなるだろう。最悪野宿でもいい。

 8時10分、草加駅着。8時14分の新栃木行に乗る。東武動物公園で降りて乗換列車を待っていると、案内放送があって「今日は日光行の臨時快速が出る」とのこと。連休初日だけのことはある。新鹿沼にも止まるそうで、ちょうどいいのでそちらに乗ることにする。

 8時46分、東武動物公園駅発。臨時列車ということもあってか、同じ車両に他のお客は5、6人。以前、急行「りょうもう」用だった電車があてられており、ちょっと得した気分。

 9時40分、新鹿沼駅着。駐輪場から自転車を引き取り荷物を載せて、9時55分出発。

自転車に荷物を積んだ状態
《自転車に荷物を積んだ状態》

 駅前から国道293号に入り、北へ向かうと国道121号に合流する。この区間の別名は例幣使街道。御成橋で黒川を渡ったあたりから急に上り坂が増えてきつくなる。

 しばらく走ると日光市。日光杉並木に入っていく。

日光杉並木
《日光杉並木》

 そのあたりで変速機の様子が少しおかしいのを感じる。止まって見てみたが異常は発見できず、走行自体には支障がないようなのでそのまま走ることにする。

 杉並木の中は道幅が狭くなり走りにくい。なんと国の特別天然記念物なのだそうで、拡幅は今後も無理か。右の杉木立の間からJRの日光線が見える。

 杉並木をぬけ、11時10分、東武の日光線・下今市駅に到着。近くにマクドナルドがあるはずなので探すが、なかなか見つからず、時間を無駄にする。30分後にようやく見つけ、昼食と サイトの更新。

 更新にも手間取り、12時50分、出発。実によろしくない。

 国道119号を行く。JRの日光駅、続いて東武日光駅(両駅は隣接しているが、駅舎は別の場所にある)の前を通過する。

 13時30分、日光郷土センターというところで一休み。標高571メートルとのこと。新鹿沼駅近くの鹿沼市役所の標高が150メートル弱ということだから、すでに400メートル以上上っている。上りが続いているということもあるが、ペースは悪い。前日まで仕事だったこともあり、思うように走れない。

 13時50分、出発。どうにも変速機の具合が悪くなってくる。いったん止まって後輪のあたりをよく見ると、ワイヤーの被覆が裂けていて変速機がうまく動かなくなっていた。これから山の中へと入っていくというところで非常にまずい事態だが、ここは観光地なので部品購入や修理ができそうな店はない。不安だがやむを得ず、そのまま進むことにする。

 東照宮前を通過し国道120号に入る。子どものころから日光には何度も来ているので(埼玉東部・伊勢崎線沿線の学校なら、修学旅行先にはたいてい日光が入っていたのではないかと思う)、観光をする気はない。この先にいろは坂越え、それに金精峠越えという恐るべき難関が待っているのだし。

日光二荒山神社の神橋
《日光二荒山神社の神橋》

 坂がきつい。変速機がまともに使えないので、体力を余計に消耗する。

 休み休み進み、15時00分、いろは坂下の馬返の休憩所に到着。標高は約800mとのこと。日光郷土センターからさらに230メートル上った。いろは坂を前に、すでにすっかり疲れてすぐには動けない。

 いろは坂はそれぞれ一方通行の第一と第二に分かれている。中禅寺湖から馬返への下りに使われているのが第一いろは坂で、これから中禅寺湖へと向かうために入っていくのが上り用の第二いろは坂。

右に進入禁止の標識が見える方が第一いろは坂・左に曲がっていく方が第二いろは坂
《右に進入禁止の標識が見える方が第一いろは坂・左に曲がっていく方が第二いろは坂》

 15時45分、出発。いろは坂に入る。自転車に乗って走れたのはいろはの「は」まで。そこからはほとんど押して歩く。もはや自転車ツーリングではなく山登り。

 1時間以上、その状態が続き、17時00分、黒髪平に到着。ここは標高1173メートル。10分ほど休憩。

黒髪平から日光の市街地方面を見る・ここは標高1173メートル
《黒髪平から日光の市街地方面を見る・ここは標高1173メートル》

 自転車に乗ってどうにか走れるようになり、17時30分、明智平に到着。ここは標高1274メートル。豚串焼を食べて休憩。

明智平・ここは標高1274メートル
《明智平・ここは標高1274メートル》

 17時45分、出発。ここから先はもう上りは緩やか。トンネルを抜けるとすぐに中禅寺湖畔。夕日がすばらしい。苦労して上った甲斐のある美しさ。

中禅寺湖の夕暮れ
《中禅寺湖の夕暮れ》

 そろそろ宿に入りたい時間になった。とりあえず飛び込みでいくつかの宿に泊めてもらえるかきいてみるが、断られる。大型連休の初日。探しても見込みは薄いように思える。

 つい、悪い癖で考えるのがめんどうになり、出たとこ勝負で国道120号をさらに進んだ奥日光の湯元温泉まで行ってみることにする。家族旅行で子どものころ何度も訪れた場所で、行けば何とかなりそうな気がする。ダメなら、いよいよ野宿だが。

 すっかり暗くなった国道120号を走る。中禅寺湖畔を走っているうちはよかったが、竜頭の滝付近ではまた勾配が急になり、自転車を降りて押す羽目になる。苦しい。

 真っ暗で誰もいない戦場ヶ原をぬけ、三本松の休憩所の自販機でジュースを買う。休憩所ももう店じまいの時間のよう。

 19時40分、湯元温泉に到着。標高は1500メートル近い。最後に来てから30年以上経っているので当たり前かもしれないが、すっかり様変わりしていて驚く。当時の素朴な雰囲気はなく、飛び込みで宿泊を依頼するには気がひけるようなホテルばかり。あたりを一巡りし、民宿を1軒見つけて宿泊をお願いするが、満室とのことで断られる。足湯につかってみるが、そこももう終わりの時刻。野宿することにする。

 着れるだけ着こんで公園のベンチで寝ることにする。少しウトウトしかかったところで、誰かがやってきて声をかけられる。おまわりさんだった。不審者だと思われて通報されたらしい。事情を訊かれる。かなり情けない。先方は私服でどうも当日の勤務終了後ではなかったかと察せられる。あちらもお気の毒ではある。

 単なる旅行者だということは理解してもらえたようだが、ここで寝るのはダメとのこと。

 「このへんは今の時期、場合によっては零度まで下がることがあります。死んでしまいますよ。」と言われる。死んでしまうのであればやむを得ない。移動することにする。選択肢は2つ。中禅寺湖方面に戻るか、そのまま国道120号をさらに進んで金精峠越えか。

 戻りを選択しても泊まれるところがあるとも思えない。無謀だとはわかっているが、金精峠越えを選ぶ。

 21時20分、出発。国道120号に戻って山の中へと入っていく。たちまちペダルが踏めなくなり、押して上ることになる。すでに出発から1300メートル以上上っているので、いい加減クタクタ。坂の下に湯元温泉の明かりが見下ろせるが、金精峠方面を望めばもはや人家も絶えたようで光はない。車も思い出したようにしか来ない。

 途中、風が強くなる。ゴーッ、ゴーッという風と木々が揺れる音だけが響き、非常にわびしい。気温もかなり下がっているようだが、着こんで体を動かしているので寒くはない。

 疲れきって、 ちゃりポン をかぶって何度か道の脇でうずくまる。下手をするとホントに死んでしまうような気もするが、それでも休みたい。少し眠るが、動かないでいると体温が下がって寒くなり目が覚める。で、またしばらく自転車を押して上る。その繰り返し。

 喉が渇くが、手持ちの飲み物の残量とこの先どこで入手できるかわからない状況では、やたらに飲むわけにもいかない。苦しい。

 (20日へ続く)