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自宅サーバ

9. 引退記念・Libretto ff 1100 の能力再確認

libretto ff1100

 2011年8月1日をもって先代サーバー機・東芝 Libretto ff 1100(右の写真)は引退しました。

 おそらくサーバーとして第一線に復帰することはなく、他の用途へ転用するにも10年以上前の機種なので使い物にならないでしょう。とはいえ、愛着があるので引退後も電源を切った状態で保管していました。

 サーバーとして使用を開始した時点ですでに能力不足が明らかであった(苦笑)ff 1100 ですが、それがどの程度のものであったのかを示す具体的な数値データなどは取っていませんでした。何事も数字を出さなければ説得力がないとみなされるこの業界、遅まきながらいくつか計測してみました。

1.ff 1100 の基本仕様

 まずは ff 1100 の基本仕様を。

CPU Intel MMX Pentium 266MHz
メモリ 64MB(ウチのは追加して 96MB に)
ハードディスク 3.2GB(ウチのは換装して 40GB に)
ディスプレイ 7.1型TFT液晶 800×480ドット

詳細は東芝の ff 1100 のサイトへ →  Libretto ff 1100 Top Page

 これに Laneed のLD-CDL/TXA という LAN カードをPCカードスロットに挿している状態( ff 1100 発売当時はまだ LAN のインターフェイスを搭載していないPCは多かったのです。)でずっと使用してきました。

 OSは最終的には Vine Linux 4.2 でした。

2.ff 1100 の消費電力

 とりあえず消費電力から。例によって サンワサプライの簡易検電器・TAP-TST8 ワットモニター を使いました。

電源切断状態 1.6〜1.7W
起動時最大 16.9W
起動後安定状態 14.3〜15.5W
起動後安定状態(ディスプレイ消灯) 11.3〜11.6W

 現行のサーバー機の結果( 7. 新サーバー機導入顛末・前編 参照)と比較すると、電源切断状態での数字が良くないのは不思議ですが他は立派です。この値だけなら今でも使いたいくらい。

3.topコマンドによる動作状況

 次は Linux のコマンド・top を使ってシステムの状態を見てみます。起動直後の ff1100 はこんな状態。

ff1100・起動直後

 負荷がかかっていない状態なので、CPUの項目(3行目・Cpu(s): の値)は問題ないですが、メモリ(4行目・Mem: の値)はすでに70%以上使ってしまっていて危うい状態。つーか、メモリ増設前は64MBしかなかったんだけど、この時点で64MB以上、軽く使っちゃってるじゃん・・・。

 続いて1回、当時のサイトのトップページを表示させた直後の状態がこれ。

ff1100・トップページを表示させた直後

 もうほとんど残ってない・・・。当然、現役時代にはこんなんでは済まず、もうスワップしまくり、そしてファンは回りっぱなしで落ちなかったのが不思議でした。さすが、Linux! なんて言っていいんだろうか。それとも、この状態で数年にわたって休みなく稼動させられてもハードディスクが壊れた以外は耐えて働き続けた ff1100 の頑丈さを賞賛すべきだろうか。

 ちなみに稼働中の現行機の現状はこう。

現行機・稼働中

 ff1100 の倍以上のプロセスが動いており(2行目・Tasks: の値)かつ2週間連続稼動していても、スワップの使用量ゼロ(5行目・Swap: の値)でメモリの使用量も20%以下で余裕。さすがに8GBも積んでれば、ウチのサイト程度は十分のようです。

3.Apache Benchによる負荷テスト

 も一つ、Apache Bench で負荷テストを。

 Apache Bench は Web サーバーを対象とした性能測定ツールです。基本的には同時接続数とリクエスト数を指定して使用し、 対象となった Web サーバーのその指定条件でのレスポンスから能力を測定するというもの。コマンドの書式は下記のとおり。

$ ab -n 100 -c 10 http://localhost/test.htm

 オプション -n でリクエスト数、-c で同時接続数、それにリクエスト先のURLを指定します。

 まず、リクエスト数を100、同時接続数を10、 ff1100 のトップページをリクエスト先にして測定。結果は以下の通り。

Apache Bench・結果その1

 測定は完了し、100件のリクエストに応答失敗はなし。ただし、処理時間は120秒以上かかっています(赤字で強調した箇所)。同じ条件で現行機を測定すると2.4秒ほどで終わりましたから、単純比較だと ff1100 の50倍の速度。というか、やっぱり ff1100 遅過ぎ・・・。

 なお、測定中の ff1100 のCPU使用率は最大で69.0%でした。現行機は62.3%。現行機はデュアルコアなんで比較が難しいところですが。

 また、測定中は Apache と同等か、それ以上にデータベースの処理に資源が使われているのも目を引きました。トップページは動的なページで、以前も今も当サイトの中では一番処理が重いところでもあります。

 さらに負荷を上げて、リクエスト数を1000、同時接続数を100と各10倍にして測定したところ、結果は・・・。

Apache Bench・結果その2

 リクエストを153件処理したところであえなくタイムアウト・・・(笑)。設定次第で結果が変わる可能性はあるにせよ、無茶だったか。現行機だって測定自体は終えられたけど、応答失敗が148件も出てたし。

 この時の ff1100 のCPU使用率は最大で88.1%(現行機は同条件で87.3%)。消費電力は最大で17.7Wでした。

 ううむ、限界近くまで負荷をかけてもこの消費電力というのは魅力だなぁ。でも、まあ、やっぱり引退してもらいましょう(笑)。