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RONNIE LANE

5. Small Faces

 Slim Chance 結成以降のアルバムをあらかた聴いてしまえば、今度はさかのぼって Ronnie の活動を追って行きたいと思うのが人情というもの。

 ということで Slim Chance 以前に Ronnie が所属していたバンドの作品をご紹介。もちろん Ronnie 中心の視点で。

 まずは Small Faces から。

Small Faces

Small Faces (Decca)
Small Faces (1966)
  1. Shake
  2. Come On Children
  3. You'd Better Believe It
  4. It's Too Late
  5. One Night Stand
  6. What'cha Gonna Do About It
  7. Sorry She's Mine
  8. Own Up Time
  9. You Need Loving
  10. Don't Stop What You're Doing
  11. E Too D
  12. Sha-La-La-La-Lee

 モッズ・バンドの代表格といわれる Small Faces のデビュー・アルバム。

 Ronnie ファンにとっての注目はなんといっても冒頭の "Shake" 。 Sam Cooke のカバーで Steve Marriott をさしおいて Ronnie がリード・ボーカルをとっています。高揚感たっぷりのドラムが印象的なこの荒々しい曲で Ronnie は目いっぱい叫んでいます。Slim Chance からファンになった者としては「おおっ!?」という感じですが、これがカッチョいいです。声質は Slim Chance の頃と同じなんですけどね。なんせ、この時、Ronnie はまだ二十歳、やっぱり血気盛んだったわけです。

 メンバーが書いた曲は7曲でそのすべてに Ronnie がかかわっています。Steve Marriott との共作とはいえ、ほとんどハードロックみたいな "You Need Loving" を Ronnie が書いていたとはちょっとビックリです(追記:実際にはどの曲でも核になる部分はどちらか一人が書いたもので、協力するのは仕上げの段階でだったそうです。)。しかし、噂どおり Led Zeppelin の "Whole lotta love" そっくり(元ネタがいっしょらしいです)。

 Slim Chance から想像すると大ハズレですが、力で押しまくる楽曲群に都会っ子らしい粋なセンスがほんのりと加わったアルバムで、これはこれでエエです。聴きましょう。

 それにしても昔から気になっているんですが、ジャケットの写真、なんで Ronnie だけあさっての方を見ているの?

From The Beginning

From The Beginning
Small Faces (1967)
  1. Runaway
  2. My Mind's Eye
  3. Yesterday, Today And Tomorrow
  4. That Man
  5. My Way Of Giving
  6. Hey Girl
  7. Tell Me Have You Ever Seen Me
  8. Take This Hurt Off Me
  9. All Or Nothing
  10. Baby Don't You Do It
  11. Plum Nellie
  12. Sha-La-La-La-Lee
  13. You've Really Got A Hold On Me

 Small Faces 2枚目のアルバム、・・・と言ってしまっていいのかしらん? というのもこれ、マネージャーや所属レコード会社(Decca)に不満を抱えていたバンドが Immediate Records へ移籍してしまった後、Decca が残された音源から勝手に編集して出してしまったというモノだからです。前作の曲が2つ、次作の曲も2つダブりで収録されていますし、ジャケットの写真も1枚目と同じときに撮影されたもので、いかにもまにあわせっぽいです。やっぱりいい加減だったのね、60年代・・・。

 モロに同時期の The Beatles を連想させる "That Man" は音がだいぶ加工されていてわかりにくいのですが、このボーカルは Ronnie だよね? トローンとした雰囲気で前作の "Shake" からは様変わり。ひょっとしておクスリの影響? 代表作 "All Or Nothing" は彼らの曲としては唯一全英シングルチャート1位を獲得しました。ライブでの再演バージョンが "You Never Can Tell""Majik Mijits" にも収録されていますので聴き比べてみるのも一興かと。

Small Faces

Small Faces (Immediate)
Small Faces (1967)
  1. (Tell Me) Have You Ever Seen Me
  2. Something I Want To Tell You
  3. Feeling Lonely
  4. Happy Boys Happy
  5. Things Are Going To Get Better
  6. My Way Of Giving
  7. Green Circles
  8. Become Like You
  9. Get Yourself Together
  10. All Our Yesterdays
  11. Talk To You
  12. Show Me The Way
  13. Up The Wooden Hills To Bedfordshire
  14. Eddie's Dreaming

 全曲メンバー作でプロデュースも Marriott / Lane というバンドの意気込みを感じさせる Immediate Records 移籍後初のアルバム。・・・って、Decca でのデビュー・アルバムと同じ題で、しかもバンド名とも同じじゃん。えらい紛らわしいんですけど。購入者が混乱する商品名はよくないです。

 と、本筋から外れた文句はともかく、内容はいいですよ。デビュー時の熱血直情振りからは大きく変化し、工夫を凝らした音作りが印象に残る作品となっています。うれしいのは後の Slim Chance につながっていくような Ronnie の個性が顔を出し始めているところ。シングル・ヒットした曲は収録されていないので地味な印象ですが、他の Small Faces のアルバムと比較すると全体に Ronnie 色が非常に濃く出た作品でもあり、Small Faces のアルバム中、最も Ronnie ファン向けと言えるのではないのでしょうか。"Something I Want To Tell You" や "Eddie's Dreaming" のトボけた味わいといい、"Show Me The Way" の抑えた哀調といい、実に彼らしくて楽しくなってしまいます。他の曲も充実しており特にオススメのアルバムです。

Ogdens' Nut Gone Flake

Ogdens' Nut Gone Flake
Small Faces (1968)
  1. Ogdens' Nut Gone Flake
  2. Afterglow
  3. Long Agos And Worlds Apart
  4. Rene
  5. Song Of A Baker
  6. Lazy Sunday
  7. Happiness Stan
  8. Rollin' Over
  9. The Hungry Intruder
  10. The Journey
  11. Mad John
  12. HappyDaysToyTown

 1968年の発表なのですが、この前年に例の The Beatles "Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band" が出ており、このアルバムの前後に Rolling Stones "Their Satanic Majesties Request" や The Who "Tommy" 等が発売されるなど、英国ロック界でコンセプト・アルバムが大流行していた時期、ということで Small Faces もです(笑)。

 レコードのB面にあたる "Happiness Stan" 以降の6曲が組曲形式になっており、Stan という男の旅の物語(ロンドンの昔話が元らしい)を主題としています。同じコンセプト・アルバムでも The Beatles の芸人根性や The Kinks のような批評性は見当たらず、若い連中が単純に面白がって寸劇ノリでやってみたという感じです。印象としては、まるで「チキ・チキ・バン・バン」や「メリー・ポピンズ」みたいなミュージカル映画のサウンドトラックのようだ、とかわたしは思ってしまったんですがどんなもんでしょう? これはロンドンで街頭演奏や大道芸を見て育ったという Ronnie の好みなのか? はたまたミュージカルの子役出身・Marriott の地が出たのか?

 レコードのA面部収録曲で個人的に好きなのは "Lazy Sunday" です。「だりィ日曜だぜ」って、そんな気合入りまくりで歌われても・・・(笑)。この曲で Ronnie はアレンジを担当したそうで、後ろでゴチャゴチャ聞こえる効果音は彼が冗談で入れたっぽい(笑)。

 この後、 Steve Marriott が脱退して Small Faces は活動停止状態に陥ります。76年に再結成されて2枚アルバムを発表していますが、Ronnie は参加していません( 正確に言うとリハーサルまでは参加していたらしい です)。

In Memoriam

In Memoriam
Small Faces (1969)
  1. Small Faces Live
  2. Rollin' Over
  3. If I Were A Carpenter
  4. Every Little Bit Hurts
  5. All Or Nothing
  6. Tin Soldier
  7. Collibosher
  8. Call It Something Nice
  9. Red Balloon
  10. Wide Eyed Girl On The Wall
  11. The Autumn Stone
<斜字のトラックは司会者によるバンド紹介>

 Steve Marriott 脱退直後に発売された編集盤。当初はドイツだけで出回ったものだとか。

 Small Faces は契約関係がグチャグチャになっているようで、あちこちのレコード会社からわけのわからん編集盤が大量に出回っていますが、いかにもテキトーに編集されてそうなのや音源の怪しそうなのが多いし、一々チェックする気力もないので、わたしはほとんど持っていないです(個人的にはアルバム未収録のシングル曲を完全収録したのをキチンとした形で出してほしいです)。ただ、これは所属していた Immediate Records から出たもので、言わば正式の編集盤ですのでファンは押さえといた方がよいでしょう。

 レコードA面にあたる Song List の 1 ~ 6 はライブ(ただし、1 はバンドの紹介部分なので、実際には5曲)。1968年5月のニューキャッスル・シティ・ホール公演での収録。貴重です。やっぱりライブでの Steve Marriott の存在感はスゴいわ。ただし音はイマイチなのでそのつもりで聴くこと。

 B面にあたる 7 ~ 11 は "Ogdens' Nut Gone Flake" の次に発表されるはずだった未完成アルバムの収録予定曲で、これも貴重。このへん、徐々に Slim Chance の世界へと近づいている感じでうれしいなぁ。特に好きなのは "The Autumn Stone" で Ronnie っぽい穏やかで美しい曲を Steve Marriott が歌うっていうのがいいです。この路線でうまく二人が協力できていればすばらしいアルバムができたような気がするんですけど・・・、残念。

The BBC Session

The BBC Session
Small Faces (1999)
  1. What'cha Gonna Do About It
  2. Jump Back
  3. Baby Don't You Do It
  4. Shake
  5. Sha-La-La-La-Lee
  6. You Need Lovin
  7. Hey Girl
  8. E Too D
  9. One Night Stand
  10. You'd Better Believe It
  11. Understanding
  12. All Or Nothing
  13. If I Were A Carpenter
  14. Lazy Sunday
  15. Every Little Bit Hurts
  16. <Rare Interviews With Steve Marriott>
  17. <Rare Interviews With Steve Marriott>
  18. <Rare Interviews With Steve Marriott>
  19. <Rare Interviews With Steve Marriott>
  20. <Rare Interview With Kenny Jones>
<斜字のトラックはインタービュー>

 英国BBCのラジオ番組用に収録された音源をまとめたアルバムです。1965年から1968年にかけての5回分、それぞれ3曲づつの計15曲、それに短いインタビュー5本を追加、という内容です。Song List の 1 ~ 3 は最初期にあたり、キーボードが Ian McLagan ではなく、初代の Jimmy Winston(ジャケットの写真右端・ファースト・アルバム発売前に脱退)が担当しているというのも珍しいところ。音質はこっちもあんまし良くないですが、貴重度からいってファンはやはり必携でしょう。

 ここでも Steve Marriott の気合が炸裂しまくりで、オリジナルよりさらに熱く荒々しい演奏が披露されています。コンサートでの収録ではないので歓声などは入っていないのですが、臨場感もなかなかのもの。"Shake" のボーカルはもちろん Ronnie で、つんのめりそうな勢いで歌っています。若いなぁ~。まだ十代だもんなぁ、当たり前か。それから気のせいか、妙にベースの音が目立って聞こえます(特に "Lazy Sunday" とか)。

 インタビューの 16 では Marriott がメンバーを紹介していて、「こいつがベースの Plonk 」と言っているのが聞こえます。

Ultimate Collection

Ultimate Collection
Small Faces (2003)

<Disc 1>

  1. What'cha Gonna Do About It
  2. I've Got Mine
  3. It's Too Late
  4. Sha-La-La-La-Lee
  5. Grow Your Own
  6. Hey Girl
  7. Shake
  8. Come On Children
  9. You Better Believe It
  10. One Night Stand
  11. Sorry She's Mine
  12. Own Up Time
  13. You Need Loving
  14. Don't Stop What You Are Doing
  15. E Too D
  16. All Or Nothing
  17. Understanding
  18. My Mind's Eye
  19. I Can't Dance With You
  20. I Can't Make It
  21. Just Passing
  22. Patterns
  23. Yesterday, Today And Tomorrow
  24. That Man
  25. Baby Don't You Do It

<Disc 2>

  1. Here Comes The Nice
  2. Talk To You
  3. (Tell Me) Have You Ever Seen Me
  4. Things Are Going To Get Better
  5. My Way Of Giving
  6. Green Circles
  7. Get Yourself Together
  8. Up The Wooden Hills To Bedfordshire
  9. Eddie's Dreaming
  10. Itchycoo Park
  11. I'm Only Dreaming
  12. Tin Soldier
  13. I Feel Much Better
  14. Ogdens' Nut Gone Flake
  15. Afterglow (Of Your Love)
  16. Song Of A Baker
  17. Lazy Sunday
  18. Rollin' Over
  19. Mad John
  20. HappyDaysToyTown
  21. The Universal
  22. Donkey Rides, A Penny, A Glass
  23. Wham, Bam, Thank You Mam
  24. Don't Burst My Bubble
  25. The Autumn Stone

 編集盤からもう1組、挙げておきましょう。売りは2枚組で Decca・Immediate 両時代の曲が収録されていること、計50曲と量はたっぷりあること、音質がまともなこと。

 それからシングル曲がほぼすべて収録されているとこも良いです。( "Tin Soldier" 、メチャかっちぇー!)「ほぼ」というのは2曲抜けているのがあるからですが、その2曲は2006年に出た Decca 版 "Small Faces"(デビュー・アルバムの方ね)の40周年記念盤にボーナス曲として収録されていますので、「全部揃えなきゃ気が済まん!」というマニアな方はそちらと合わせてどうぞ。

 「全作買う気はないけど、とりあえず代表曲が聴けるのを何か1つは欲しい」という人にも向いていると思います。