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開店休業の記

今日の音楽 ー 紛らわしいわっ

Bonny Light Horseman

 今回は新規開拓。某ECサイトでなぜかオススメに入っていて、試聴したらわりといい感じだったので買ってみました。Bonny Light Horseman 、2020年の同名のデビューアルバムです。

 ソロ・ミュージシャンかと思ったら、アメリカの男性2人女性1人のグループでした。誤解を呼ぶ名前。しかも、収録曲にグループ名、アルバム名と同じ曲があって、Bonny Light Horseman のアルバム "Bonny Light Horseman" に収録されている "Bonny Light Horseman"・・・、わけわからん、ひょっとして狙ってるだろ?

 「若いのがしょうもないおふざけしやがって」と思ったりしたんですが、グループとしては新しくともメンバーは全員四十過ぎで、すでに音楽業界でそれなりの経歴を持っている人たちらしい。何なの、あんたたち?

 内容も全然おふざけではありません。イギリスなどの伝承歌( Led Zeppelin が "Black Mountain Side" として、こちらもデビューアルバムに収録した曲を含む)と自作が半々。基本アコースティックでフォーク系のグループといってよいでしょう。しかし、泥臭くも田舎臭くもなく、シンプルですが、ちょっとメランコリックで現代的にすっきりと澄んだ音がなかなか魅力的。

 女性メンバーの Anaïs Mitchell がいいですね。歌声は、時に Patty Griffin 、時に Julie Miller 、たまに Neko Case 、みたいな感じ? すげぇいい加減な形容ですが。

 彼女が歌う、紛らわしいタイトルトラック(伝承歌だそう)や "The Roving" が好き。

 アタリでした。

今日の音楽 ー 10枚組でもだいじょうぶ

Milestones of a Jazz Legend

 Ronnie Lane がカバーしたジャズのスタンダード "I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter"( Sir Paul McCartney もオシャレっぽくカバーしてますな)は、Fats Waller のバージョンがヒットしたことで知られるようになった曲なのだそうで、YouTube に上がっていたので聴いてみたらいい感じだったので、CDが欲しくなりました。

 ジャズには疎いので、どんなの買ったらよいのか、探していても見当がつかなかったのですが、たまたま本作が目に入ったので買っちゃいました。Fats Waller の "Milestones of a Jazz Legend" です。なんと10枚組です。・・・いや、だって、10枚組なのに2500円だったので・・・(また、それかい)。戦前〜戦中という古い録音ばかりなので、著作権切れで安く作れたのかしら?

 "Milestones of a Jazz Legend" というのはシリーズになっているようで、他にも Louis Armstrong らジャズの有名どころのを出しています。

 Fats Waller は1904年ニューヨーク生まれのジャズピアニストで、本作には1922年から1942年までの録音が収められています。1943年に亡くなってしまう人ですから、主要な録音はほぼ入っているのかも(もちろん、"I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter" も入っています)。

 Ronnie Lane は1946年の生まれですから、生前の Fats Waller は知らないはずですが、やはり音楽好きでピアノも弾いたという Ronnie のお父さんが Fats Waller の大ファンだったそう。

 戦前のジャズっておおらかな感じですね。CD10枚というボリュームなんですが、馴染みやすい音で聴き飽きません。歌は美声じゃないんですが、人懐こく、時にユーモラスで、誰かにちょっと似てるなと思ったら、ハナ肇だよ。一番の聴きどころはもちろん彼のピアノ。なめらかに、そして踊るような音が粋。気分が和らぎます。ここんとこ、ずっと流しっぱなしにしていました。

 ちょっと驚いたのは、初期にはパイプオルガンの演奏もあったこと。あれもジャズって言っていいのだろうか?

 知らないところから出ているものだったので、音が少し心配でしたが、多少ノイズがのっている曲もあれど、収録が80年以上前ということを考えれば十分満足できるものでした。

今日の音楽 ー ほぼ、全編オラオラです

Let It Rock

 ネットでふと、目に入ったので買ってみました。The Georgia Satellites の1993年のベスト盤、"Let It Rock" です。しっかし、ベタなタイトルだな。

 彼らのこと、よく知っているわけではありません。たしか、デビュー時にシングル "Keep Your Hands to Yourself" がいきなり大ヒット、同曲収録のアルバムも売れたはずでしたが、その後はパッとしませんでした。Tom Cruise 主演の映画 "Cocktail" のサウンドトラックに収録された "Hippy Hippy Shake" がそこそこヒットしてから消息がわからなくなったんですが、解散状態になってたのね、やっぱり。メンバー変更があって再結成して今も存続しているらしいです。

 本作は解散前に出した3枚のアルバムからの曲を中心に選曲されています。これがまた、「おらぁっ! ロックンロールだぜい!」って曲ばっかで、とってもアメリカンです。ジャカジャカ、ギャンギャン、ドカドカ。雑で騒々しくて大げさで。そこが「味」です。彼らはそれでいいんだと思いますし、そういうのを求めている方には満足度の高い1枚だと思います。わたしも、たまにはこういうのもいいな、と思っちゃいましたし。

 The Beatles のカバー "Don't Pass Me By" が好き。ピアノが入ったら、すっごく Faces っぽくなってる! つーか、このピアノ、Ian McLagan だよね? 元の収録アルバムに参加していたそうです。

今日の音楽 ー ワニは源助さんを許してくれるだろうか

遊びましょう

 今年の初めに聴いた「DISCOVER NEW JAPAN 民謡ニューウェーブ VOL.1」の収録曲が気に入ったので、さらに単独名義のアルバムも聴いてみることにしました、馬喰町バンド。2015年の4作め、「遊びましょう」です。

 「DISCOVER NEW JAPAN 民謡ニューウェーブ VOL.1」に収録されていたというところから、日本民謡のアップデートを目指すグループなのかなと思っていたのですが、どうもそうではない。本作の全曲がオリジナルということだし。民謡の要素を引き継いでいる部分はたしかにあるのですが、むしろ明色でクリアでスマートなこの音は農村・漁村に似合う音楽というわけではないし、どちらかっていうと土着っぽくない。個性が強くあるのに親しみやすい。楽器の組み合わせは一般的ではないかもしれないけれど、ポップですよ。なお、バンドコンセプトは「ゼロから始める民俗音楽」なんだそうです。なるほど。

 太鼓(ドラムじゃない)とコントラバスの音が妙に印象に残るなぁ。

 「許してワニ」、歌詞はまったく意味不明なんですが、こういうの好き。ついクセになる楽しさです。

今日の音楽 ー 仮面ライダーではない

Henry The Human Fly

 何なんでしょうね、お面かぶってギター持ってポーズとってますけど。まだ20代前半の Richard Thompson 、若気の至りとしか思えん。1972年のソロデビューアルバムです。"Henry The Human Fly" 、ハエ男すか。発売当時、売上は最悪レベルだったとかで、あ〜、このジャケじゃ買わんよなぁ・・・。

 実に迂闊なんですが、本作、今まで聴き漏らしていました。ここんとこ、Thompson 翁関連旧作シリーズってことで、昔の作品、確認してたらまだ聴いてなかったことに気がつきまして。まあ、このジャケだから、後回しにされてそれっきりになってたんだろうなぁ。レコードも商品と考えれば、やっぱ、パッケージングは大事。

 で、内容ですが、ソロデビューアルバムにして、すでに翁の基本がここにあり、という感じです。伝統音楽とロックンロールの融合を進めた成果が確実に表れ、ギターヒーロー続出の時代にあっても、あのギターは独特で強力な個性となっております。1曲めなんか、ギターなのにパグバイプみたい。歌声は今と変わらないです。"Shaky Nancy" が好き。

 参加者には Fairport Convention 時代の仲間、Ashley Hutchings と Sandy Denny 。(同年に翁と結婚して Linda Thompson となる前の)Linda Petersも。"The Bunch" とかぶってますな。発表も同じ年だし。おおっ、やはり元 Fairport Convention の Iain Matthews と Plainsong を組む Andy Roberts もいますね。あれっ、Plainsong の "In Search Of Amelia Earhart" も1972年じゃん。この当時って、どういう仕事の仕方、してたんだか。

今日の音楽 ー 20年振り

Beautiful Life

 どうしたことか、たまたま Susan Voelz のことを思い出しまして。

 その後どうしてんのかしらと少し当たってみたところ、2016年に "Summer Crashing" から20年振りとなる3枚目のアルバム "Beautiful Life" を出していました! 調べてみるもんですね。

 で、買った後でわかったのですが、これ、Prince のカバーアルバムでした(一部オリジナルあり)。この年に Prince が亡くなったというのがあるのでしょうが、20年振りでどういう展開なんだか。わからん人だ。

 わたしは Prince にはほとんど関心がないので、実は「これ、買って失敗したかな」と思いました。しかも、わたしでも知っているような超有名曲、例えば "1999" 、"Purple Rain" 、 "Raspberry Beret" 、"Kiss" 、"Batdance"(おお、それでもけっこう知ってるわ) といった曲は含まれていないので、なおさらな感じでした。

 が、良かったです(あっさり)。元を知らないのがかえって幸いだったのか、Prince のカバーアルバムだということを忘れてしまっても全然おっけーな良質な作品だと思います。Prince 的ファンク、ダンスの要素はほぼなく、感触が "Summer Crashing" に近くて "Summer Crashing" の2年後くらいに出たアルバムのような印象です。彼女、声・歌い方が変わってないし。全体の色彩はメランコリックなのに、人懐こさがあるところがいいです。

 また、アルバム、出してね。

今日の音楽 ー なんだか心配

Age Of Apathy

 Kronos Quartet の Pete Seeger 記念アルバム(2020年)に参加したりと、活動自体はいろいろしていたようですが、スタジオ・フルアルバムとなると2016年の "In the Magic Hour" 以来になるのかな、Aoife O'Donovan です。今年出た "Age Of Apathy" を。

 題は直訳すると「無関心の時代」。歌声は変わっていないのですが、これが今の彼女の心境なのか、沈んだ雰囲気の曲が並びます。音もシンプルで装飾は控えめ。かつてのフォーク系シンガーソングライター的作風といいましょうか。

 でも、どうなんでしょうね? "In the Magic Hour" やその前の "Fossils" にはもっとポップで明るめの感覚がありましたし、率直な感想としてはそういった曲を交えた旧作の方が好きです。7年前、I'm With Her のライブで拝見した彼女は陽気な感じの人でしたが。これもコロナ禍の影響?

今日の音楽 ー まずは Shout!

Shout!

 久しぶりの The Isley Brothers を。今回は1959年のデビューアルバム "Shout!" です。

 わたしが今まで聴いたアルバムは1970年代のばかりだったんですが、それらの10年以上前ということで音もノリも大きく異なります。6人編成になった後年の怒涛のファンク、バラードはなく、この時代らしいソウルもしくはロックンロールな作品が並びます。これも時代なのか、デビューアルバムだからってこともあるのか、有名曲のカバーがいくつも収録されていて、"When the Saints Go Marching In"(邦題「聖者の行進」)に "Rock Around the Clock" とか。

 でも、このアルバムの聴きどころはやっぱりオリジナルのタイトルトラックでしょう。わたしが彼らを聴くきっかけになったのは Tom Petty & the Heartbreakers によるこの曲のカバーでした。スタイルは違ってもこの過剰ですらある突進力は後年に通じるものがあり、素敵。

 全体を通しても、コテコテのブラックミュージック成分だけではなく、もっと幅広い層に受け入れられそうなポップ風味があって、意外と日本人にも向いているのかもしれません、この人たち。

 ジャケ写のメンバー3人は白のスーツ。このへんも時代を感じますが、スーツ姿でこの躍動感、いいな。

今日の音楽 ー Edie Brickell とどちらが上か

It's Alive

 去年、新規開拓で聴いてなかなかよかったアメリカの男女5人組・Elephant Revival をまた。

 前回聴いた "These Changing Skies" の前作にあたる2012年の "It's Alive" です。

 "These Changing Skies" に通じる感触。発表の間隔が1年しか空いてないのですしね。

 やはり強烈な印象を残す音やつい口ずさみたくなるようなポップなメロディを欠くというのが弱いといえば弱いのですが、全面アコースティックで田園的な音にゆったり心地良く浸れます。端端でアップライトベースが効いてます。

 ボーカルは曲によって担当が異なるのですが、女性ボーカル・Bonnie Paine がいい感じ。声質は Natalie Merchant に近いんですが、時々あえて声をこもらせて転がすような、ちょっと独特の歌い方をします。

 なお、ジャケットのイラストも彼女の手によるものらしいです。上手い、とは言い難いですな。

今日の音楽 ー The Wildhearts が好きならイケるはず

The Frankenstein Effect

 某ネットCD店のワゴンセールをボーッと眺めてて見つけたモノ。Mutation 、2013年のアルバム "The Frankenstein Effect" です。

 ジャケのイラスト、見る限りでは全然わたしの趣味ではなさそうなんですが、このバンド、実は The Wildhearts の Ginger の別名義なんだそうで。なら、買っとくか、と。ワゴンセールだしね(またかよ)。

 音は思いっ切りヘヴィメタルです。そしてノイズたっぷりでクソやかましい。窓開けて聴いていると、ご近所迷惑ではないかと気になるくらい。

 でも、Ginger らしいメロディと遊びの感覚があって(ゴリゴリ、ハードコアな曲の途中にチアガールみたいな黄色い声のコーラスが挟まったり)、わたし、好きだわ、コレ。

 そもそも The Wildhearts 名義でも全然違和感ないよな。なぜ別名義にしたのかはわからないです。それに発表当初は限定販売だったそう。おかげで今まで聞き逃していたので、考えようによってはマーケティングの失敗例のような気もしますが、まあいいや。ワゴンセールで買えたし。拾い物でした。