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開店休業の記

今日の音楽 ー わたしゃ、売られていくわいな〜♪

ザ・ラフ・ガイド・トゥ・知られざる日本音楽

 World Music Network という英国の音楽レーベルがありまして、Rough Guide music という世界中のいろいろな音楽を初心者向けに選曲したアルバムシリーズを出しています。わたしもこのシリーズ、1枚持ってます。

 対象が世界中ってことで、近年日本の音楽編も出ました。2021年に出た「ザ・ラフ・ガイド・トゥ・知られざる日本音楽」です。

 「知られざる」っつっても、ジャケ写、アラゲホンジじゃん。すでに知ってるわ。他にも OKI DUB AINU BAND に Amamiaynu は聴いたことあるし。ふふっ、余裕だぜ。

 ここでいう「日本音楽」は土着の要素を持つものということらしく、日本のヒットチャートに登場するようなポップソングは一切含まれていません。民謡や伝統楽器演奏などを基盤にしつつも他の音楽要素も取り入れた現代のミュージシャン16組による16曲です。

 前に聴いた「DISCOVER NEW JAPAN 民謡ニューウェーブ VOL.1」の姉妹編のような企画盤なんですが、こちらはさらに前衛的というか、最初聴いた時は「なんじゃ、こりゃ?」というような曲が少なくなかったんですが、聴いているうちに結局どれも馴染んでしまったのが不思議で(笑)。そこはやはり日本の音楽がベースだからってことなんでしょうか。楽しいです。

今日の音楽 ー 少〜し、脱「フォーク」気味

Extralife

 去年新規開拓で聴いて気に入ったアメリカの男性4人組 Darlingside 、その次のアルバムを聴いてみました。2018年の "Extralife" です。

 看板の美しいコーラスは、本作でも魅力たっぷり。ただ、音の方向性はやや変化した印象。

 前作ではアコースティックかつフォーク/ブルーグラス寄りの音が印象に残りましたが、本作では電子音でアクセントをつけるようになり、ストリングスや吹奏楽器も存在感を増しました。"Lindisfarne" の出だしのコーラスは聖歌のよーだ。その一方で、なんつーか、「変な音」もまじえるようなって、相変わらずコーラスは端正ですが、マジメ一辺倒から脱しようとしているというか、「フォーク」ポップから、より守備範囲を広げようとしているというか。

 本作も気に入りました。"Singularity" が好き。

今日の映画

ブータン 山の教室

 久しぶりに映画を観てきました! ホントに久しぶり。「ウルフウォーカー」以来。あれから1年半も映画館に観に行ってなかったです。

 「ブータン 山の教室」、2019年の映画です。日本では去年公開されていて、観たかったのですが、ご承知のような状況が続いているうち、近隣では上映が終わってしまい、あららと思っていたら、今日都内で1100円の特別料金で上映しているところがあるのに気がつき、自転車走らせ、行ってきました。

 ブータンの首都・ティンプーに住む若者ウゲンは教員資格を持っているが、仕事に対しては無気力で海外に出て音楽で身を立てることを夢見ている。しかし、教育担当の官庁からの命令で標高4800メートルの高地にある山村・ルナナへ赴任させられる。ルナナへは交通機関もなく、1週間以上の行程のほとんどが徒歩。着いた先では数十人しかいない村人総出の出迎えを受けるも、村では電気もロクに使えず、都会育ちのウゲンは早々にくじけるが・・・。

 お話は何の変哲もありません。ひねりとか意外性とか、もう爽やかなくらい、ありません。「映画にはそういうものが必須だ!」とお考えの方にとっては、もはや論外の域かも。

 でも、わたしにはとっても良い映画でした。美しい山々の風景、村の暮らし、子どもたちの表情。映画はあらすじに特別なものがなくても、映像による語りに説得力があれば、良いものになるのですね。

 ウゲンの道案内を務める村人・ミチェンが男前。結婚前、奥さんに求婚してもなかなか応じてもらえなかったと話すところでは、「いやいや、奥さん、ゼイタクやろ、何が不満だったの?」とツッコミ入れたくなってしまいました。

 時にルナナの子どもたちの瞳が、ほんとうにキラキラしているのが素敵。特に級長のペム・ザムの眼はすばらしく印象的。彼女は実際にもルナナ育ちなんだそう。

 観終わって、とても良い心地でした。

今日の音楽 ー 忘れてた・・・

Early In The Morning

 新規開拓です。James Vincent McMorrow の2010年のアルバム "Early In The Morning" です。

 この人は多分インターネットラジオで聴いて、良さそうだったのでCD買ったんだと思うんですが・・・。あいまいなのは他のCDに紛れてずっと放置していたので、買ったの、多分3年くらい前で記憶があんまりなくて・・・、ヒドい奴だな、オレ。

 で、今回聴いてから調べてみたら、この人、アイルランドの人だったのね。知らんかった。・・・、ダメ押しでヒドい奴だな、オレ。本作がデビューアルバムでした。

 音はフォーク系シンガー・ソングライターらしく、アコースティックギターやバンジョーの響きが心地よいです。でも意外とアイルランドぽくないというか、アイルランド伝承系の音は聴こえてこないです。どちらかというとアメリカの地味渋系フォークの方に近いような感じかしら? 適当ですが。

 収録曲は基本、本人の自作でどれも正攻法の良いメロディなんですが、オーソドックスな演奏スタイルともあいまって、良質であっても訴求力は今一つ弱いとも感じます。まともすぎるんですね。

 ポイントは声かな。かすれ気味の高音で、魅力あります。聴きようによっては、「柔らかく穏やかな Jeff Buckley 」というか。

 わたしが買ったのはボーナストラック付きの2枚組で、Steve Winwood の "Higher Love" のカバーが含まれていますが、原曲が80年代にありがちなダンス指向だったのに対し、こちらはピアノ弾き語りで思いっ切りしんみり。こ、こうなるんですか・・・。

今日の音楽 ー 一抹の寂しさ

Where Do We Go From Here

 いつのまにか新作が出てたよ、Dumpstaphunk 。2021年の "Where Do We Go From Here" です。前作から8年ぶりのスタジオ作って、間隔空きすぎじゃ。存在を忘れちゃうじゃん。

 8年ぶりですが、音の主力はやはり低音、低音がドスを効かせるハードロック的ファンクです。その重さがひときわ威力を発揮する "Sounds" が好き。

 その一方で、Allen Toussaint 、Dr. John ら今は亡いニューオーリンズの偉人たちがちらりと登場し、「オレたちはここからどこへ行けばいいんだ?」と歌う、タイトルトラックのミュージックビデオには、そこはかとなく侘しさも。ニューオーリンズの将来に不安があるのでしょうか?

今日の音楽 ー プログレだったんすか

Breakfast In America

 なぜか "Breakfast In America" がとても聴きたくなって、買ってしまいました、Supertramp の1979年発表、同名アルバムです。

 1970年代、そしてそれより前のロックについては、まわりに聴く人がほとんどいない環境で育ったのでほぼ後追いなんですが、"Breakfast In America" は数少ない例外で、多分発表からそれほど経っていない時点で聴いていたと思います。このアルバムは大ヒット作ですし。

 その割には印象の薄い人たちですが(酷い)。わたしは "Breakfast In America" 以外の曲はまったく知りませんでしたし、メンバーの名前も知りませんでした。調べてみると、1960年代末にイギリスで結成されたバンドで、どうも当初はプログレ寄りの音楽をやっていたようです(聴いてない)。

 プログレ! 本アルバムを通して聴いても、全然そういう感じはないんですけど。長尺物とかないし(アルバム最後の曲だけちょっと長くて7分台)。1970年代といってもパンク勃発後の終盤で、LPの片面1曲とかそういう時代ではなくなっていたでしょうが。

 延々ギターソロとか、おどろおどろしい効果音強調とかはなし。クリアな音質に親しみやすいポップな演奏・メロディ。添付の日本語解説にあるように 10cc あたりをイメージした方が近いのでは。

 アメリカで制作された作品であり、音はなるほどアメリカのメジャー路線という感じなんですが、センスは結局イギリスというか。「カリフォルニアの女の子に会うんだ」とか歌ってるし。このころはまだイギリスの人にとっても「憧れのアメリカ」っていうのはあったんでしょうか。

今日の音楽 ー 多国籍弦楽四重奏

Crazy Horse

 新規開拓です。ネットラジオで聴いた曲が良かったので、アルバム購入。Duplessy & The Violins Of The World で2015年の "Crazy Horse" です。

 どういう人たちなのか、さっぱりなので、輸入盤のCDケースに情報はないかと見てみると、なんか書いてあるけど、あれ、英語じゃないじゃん。

 中心人物らしい Mathias Duplessy という人(ジャケ写の向かって左下の人)はフランス人なんだそうで。彼と主にジャケ写の他の3人で制作したようです。ジャケ写左上の人は中国人で中国の伝統的な楽器・二胡を担当、同右上の人はモンゴル人でこちらはモンゴルの民族楽器・モリンホール(絵本「スーホの白い馬」に出てくる楽器です)担当、同右下の人はスウェーデン人でやはりスウェーデンの民族楽器・ニッケルハルパ(そういうものがあるとは初めて知りました)を担当。それで「世界のヴァイオリンたち」っていうグループ名なのね、なるほど。

 パッとジャケ写を見ると、この組み合わせ、どうなのよと首を傾げてしまいますが、自然に融合しています。ベースはやはり西洋の音楽という感じなんですが、そこに東からの風が吹いているという印象。

 収録曲は基本インストルメンタルで、メンバー作曲のオリジナル。オリジナル以外ではラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」があります。

 叙情的な曲が中心なんですが、タイトルトラックは別(ネットラジオで聴いたのはこの曲)。タイトル通り、まさに奔馬のごとき勇壮な躍動感、ロックじゃないんだけどロック的なカッコよさ! この編成でこれかよ、やってくれるわ。

今日の音楽 ー 無名なれど侮るべからず、ここに明朗快活ポップあり

Not Fade Away - The Complete Recordings 1964-1982

 昨年末に聴いたパブ・ロックのコンピレーション "Surrender To The Rhythm" は、良い企画盤でした。さらに聴きたくなったバンドがいくつもありました。そのうちの一つが Fumble です。

 "Surrender To The Rhythm" に収録されていた人たちについては、「それなりに知名度があるし、一応聴いたこともある(例:Elvis Costello )」とか「音は聴いたことはなかったけど、名前は知っていた(例:Brinsley Schwarz )」とか「音もグループ名も知らなかったけど、メンバーに知っている人がいた(例:The 101'ers )」とか様々でしたが、Fumble については音も名前も何もまったく知りませんでした。ホントに「誰それ?」って感じ。

 なので、経歴をちょこっと調べてみました。

 前身バンドが1966年に英国南西部で結成されています。メンバーは1940年代後半の生まれで Small Faces とほぼ同世代かな。1971年に Fumble と改名、翌1972年にファーストアルバムを発表。さらに1973年には David Bowie の Ziggy Stardust Tour(!)のサポートを担当し、注目されたようです。続く1974年には2枚めのアルバムを発表と、ここまではイケそうな様子です。が、アルバムはかなり高く評価されたものの、商業的な成功にはつながらず、以降低迷したもよう。それから8年も経った1982年にようやく3枚目のアルバム発表にこぎつけたものの、同年解散しています。

 情報も少なく、あまりパッとした話もなさそうな、そんな Fumble ですが、なんと近年CDボックスセットが出ていました。2020年の "Not Fade Away - The Complete Recordings 1964-1982" です。実は現在入手可能な Fumble のCDってこれくらいしかないらしい。1曲しか聴いたことないバンドなのに、ボックスセットは「ちょっと重たいな」とは思ったものの、他には見当たらないし、これだって最初の出荷分だけで売り切れたら追加生産とかされそうもないもんな、いいや、外すかもしんないけどしょうがない、買っとけ、ということで買いました。・・・って、けっこうヒドい奴だな、オレ。

 内容は3枚のオリジナルアルバムを中心に、シングル、ライブ音源、前身バンド時代の音源、未発表曲などをたっぷり詰め込んだCD4枚組。

 ・・・これが良いのですね、なかなか。めっちゃポップなんですよ。しかも明るい王道路線のです。無名のバンドだからって、地味渋ではないんです。4枚通して聴いても全然重たくない! アメリカのロックンロール/ポップスをベースにしつつ仕上げは英国流、というのが好きな人なら、買っても損はないのでは?

 彼らはロックンロール・リバイバル・バンドとされていまして、たしかにレパートリーには50〜60年代のロックンロール・クラシックのカバーが多いのですが、オリジナル曲もかなりの水準です。ライブを聴く限り、演奏力も十分あるようだし、ボーカルも一般受けしそうなカッコいい声してるし。

 むしろ、これで売れなかったのが謎という気がしますが、厳しい商業音楽の世界では「それでもまだ足りない」ってことなんでしょうか。契約したレコード会社などの営業姿勢によって大きく左右されるって話は聞きますし、やっぱり運もあるでしょうし、質は良くても時流に乗れるスタイルかどうかってのもあるでしょうし。

 無理やりこじつけるとすると、王道過ぎたのが返ってよくなかったのかしら。ロック激動の時代に活動していたのだから。もっと変な音を出してみるとか、大風呂敷を広げてみるとか、してみたらよかったのかも。個性という点では確かに弱いかも。

 ポップなんだけど似たような路線の曲がばかりというのもよくなかったのかな? "Surrender To The Rhythm" に収録されていた "Free The Kids" は素敵な曲なんですけど、このボックスセットの中では粒がそろいすぎていて埋もれてしまっている感じは否定できないし。難しいものだ。

 それと、ちょっとセンスが・・・。各アルバムを再現した紙ジャケ付きなんですが、どれもダセェ・・・。かつての輸入CD屋さんの見切り品セールのダンボール箱に入っているのがふさわしいようなヤツです。音だけでなくバンドイメージも、もちょっとうまくプロデュースしてくれる人が周りにいたら違ったのかも。

今日の音楽 ー このメンツでこれかい?

Rock On

 Thompson 翁関連旧作シリーズ、今回は1972年の The Bunch のアルバム "Rock On" です。

 The Bunch のアルバムって、これだけ。短命に終わったグループです。メンバーはですね、Thompson 翁に Ashley Hutchings 、Sandy Denny 、Trevor Lucas ・・・、Fairport Convention と Sandy Denny が Fairport Convention 脱退後に結成したグループ Fotheringay の関係者ばっかじゃん。どっちとも関係ない Linda Peters って人も加入してますけど、こちらは Sandy Denny のお友達だったそうです。後に翁と結婚して、むしろ Linda Thompson という名前で知られている彼女です、ハイ。

 こういう人たちが組んだグループなら、フォーク/トラディショナル色濃厚な音楽が聴ける、と思って買うと、まったくアテが外れます。そおいうの、ほとんどないッス。

 全編カバーでオールディーズで占められています。Chuck Berry や Elvis Presley 、Buddy Holly に The Everly Brothers ときたもんだ。Willie And The Poor Boys もそうでしたが、この世代の人たちって、ホント、こういうの好きですよねぇ。曲間で笑い声が聞こえたりしますけど、お気楽に音楽やろうとすると、結局、こうなっちゃうのかしら。

 いかにも70年代初頭っぽい音であんまり難しくせずにロックンロールつー、これはこれでけっこう良いですけど、このメンツでなら、これ1枚で十分かも。

今日の音楽 ー 20年前なら、やっぱり若いよね

Buddy & Julie Miller

 旧作で聴いてないのがあるなと気がついて、今回もさかのぼってみました、ご夫婦デュオ・Buddy & Julie Miller です。2001年、セルフタイトルのデビューアルバムです。20年前かぁ。Julie が病気になってしまったことが大きいのでしょうが、これ以降で2枚しかアルバム出してないんですよね。

 1曲め、なんか聴いたことあるな、と思ったら Richard Thompson 翁のカバーでした。この12年後に Buddy が翁のアルバムをプロデュースすることになるとは、当時はお釈迦様でもご存知あるめぇ。気のせいか、本作のギターは翁にちょっと似てるなと思いました。

 カントリー/フォーク色が強いのは以降の作品とも共通しますが、本作はかなりロックよりの印象です。ギターやドラムがやたら元気なんですよね。やっぱり若かったから、ってことなんでしょうか。

 Julie の歌声も以降の作品と変わりない気がしますが、直近アルバムでの "Everything Is Your Fault" みたいな、「ヤバい女」的な雰囲気はまだないです。

 他に Dylan のカバーがあったりしますが、Julie 作の曲が中心。ゲストで Emmylou Harris が参加してます。クレジット見なくても、あの声はすぐわかるなぁ。

 良いアルバムです。曲では "Rachel" が好き。