『マングースとハルジオン』(服部正策・伊藤一幸:著 岩波書店)、読了。
現代日本生物誌のシリーズの第11巻。今回は副題が『移入生物とのたたかい』ということでこの2種。
マングースの方は、南西諸島で大きな問題であるハブ被害の対策として海外から善意で導入されたのものの、ハブとは共存してしまいその駆除には効果がなく、かえって固有種の脅威となってしまい、こちらの駆除もしなければならなくなったという皮肉な例。主に奄美大島での状況が報告されています。
ハルジオンは大正中期に園芸植物(今やそこら中に生えているあれが!?)が野生化してしまい、戦後になって分布域を広げて雑草として問題となったそう。なので、時代劇の屋外の場面でハルジオンが映ってしまうのは、ほんとうはおかしいことなのだそうです。わたしはハルジオンを子どものころから見ているので違和感を抱いたことはないのですが、年配の人だと本来は日本になかったものだと意識している人もいるらしいです。
マングースにしてもハルジオンにしても、有害な存在としてどう対策を取るべきかといったところが内容の中心になっていて、それぞれの生物としての分類や生態といった話は少なめ。そういったことが知りたいのであれば別書をあたった方がよさそうです。
一方、移入生物の問題が、この2種の具体的な例を通して考えさせられるという点で価値があります。
良い話が一つ。本書が出てからほぼ4半世紀、2024年に奄美大島のマングースの根絶したと宣言されたそうです。おおっ。関係各位の努力の結果ですね。