『昭和台所なつかし図鑑』(小泉和子:著 平凡社)、読了。
書名のとおり、昭和期までは当たり前のようにあったけれど、今ではあまり見かけなくなった数々の台所道具の類を、実物の写真とともに紹介する本です。著者が生活史研究者だけに、ただただ「今はなくなったけど、昔はあんなものがあったね、懐かしいね」ということでは終わらせず、その道具の歴史や名前、機能や使い方まで説明があり、本としては100ページちょいと薄いのですが、勉強になります。
「はじめに」で「十年程前、吉本ばななの『キッチン』という小説がベストセラーになった」と書いてあって、「ありゃりゃ?」と思ったら、元は昭和が終わって10年足らずの1998年に出ていたものでした。わたしが読んだのは、それを2023年になって改めて刊行したもの。よく見ると表紙にちゃんと「新装版」と書いてあります。再刊されたのは時間の経過で、記録としての価値がより高くなったってことかしら?
わたしも昭和の生まれですので、掲載されているものの半分以上は使ったことがあったり、とりあえず見たことくらいはあったりします。でも、昭和後10年でどれも「なつかしいもの」になっていたのね。今じゃ、「なつかしいもの」を通り越して「歴史的なもの」になっちゃってたりして。
天窓や荒神様はおぼえがないなぁ。マッチ・・・、そういえば全然見かけなくなったぞ、姪や甥は使えるのかしら?
著者は、「刃物の研屋を見た最後は、昭和三十七、三十八年だった」と書いていますが、ウチの近くのスーパーには今でも時々来ています。1991年の調査では自宅で砥石を使って包丁を研いでいる人が64%もいたそう! でも、ウチもそうだったな、そのころ。今は?
おもしろかったです。