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蕭寥亭

 開店休業の記  
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今日の本

それはどこでも起こり得る

 『それはどこでも起こり得る』(ブレイディみかこ:著 文藝春秋)、読了。

 ブレイディみかこ姐さんの新刊。今回は「社会のキーワードになっている言葉」がテーマだそう。

 そのせいか、これまでの諸作より具体性がやや欠け、それに引用がとても多いせいか、ややわかりにくい内容に感じます。『ブロークン・ブリテンに聞け』の延長線上にあるような最近の時事問題に直接絡んでくるような部分はとてもおもしろいのですが。

 おもしろかったところを挙げると、まず極中(エクストリーム・センター)。極左、極右ならぬ極中。左にも右にも行き過ぎないバランスの取れた中庸を目指すのが中道だったのが、幅広い支持を獲得するために理念を抜き、空っぽになってひたすら権力獲得に邁進するのが極中。

 第5章の始めに紹介されるヴァンス米副大統領の「キリスト教的な考え方に基づく愛の優先順位」は、キリスト教徒ではまったくないわたしからしても、まったくのぎもんふ??? アメリカのキリスト教ってどういうことになってるんだろう? もっともヴァンスはアメリカの主流のプロテスタントではなく、カトリックだそうですが、教皇から怒られたらしい。なんだよ、それ。

 リフォームUKの躍進については気になっていたところだったので、現地からの解説はありがたいです。

 最後に挙がっている言葉「リマイグレーション」、民族浄化の言い換えともされるこの言葉は、日本出身である姐さんにとっては誇張抜きで「恐ろしい」言葉でありましょう。そして、「それはどこでも起こり得る」と・・・。

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