『ブラッカムの爆撃機』(ロバート・ウェストール:著 金原瑞人:訳 岩波書店)、読了。
『英米文学のわからない言葉』に本書翻訳者の過去の翻訳書の中からお勧めが挙げられていまして、その一つです。
そういえばこの本の著者の作品は20年近く前に一冊読んでいました。翻訳者も同じ『かかし』です。
えらく昔のことなので『かかし』の内容はほとんど忘れてしまいましたが、当時の感想を読み返してみると、本作と重なる印象を持ったみたい。ただ『かかし』は長編でしたが、こちらは短めのお話3編を収録、それに著者の略伝となぜか宮崎駿の解説マンガ付き! 妙なところで出てくる人だ・・・。
難しめの漢字に繰り返しフリガナをつけているしカテゴリとしては児童文学になるようだけど、これは対象年齢は何歳くらいを想定しているんだろう? 出版社のサイトには記載がなかったけど、小学生じゃないよな。わたしは中学生以上だと思います。
3編、いずれも戦争が関係してきます。表題作は第二次世界大戦の英空軍爆撃機乗りの話です。宮崎駿の評のとおり、爆撃機の出撃時の描写が出色。そして機内で起こる奇怪なできごとが物語の核になっています。怖ろしいできごとなのですが、怖ろしさ以上に哀しみが印象に残ります。それも激しい、衝撃的な感じではなく、失われてしまったものを悼むようなじんわりとしたものを。