『疑似科学から科学をみる』(マイケル・D・ゴーディン:著 隠岐さや香:監訳 平井正人・住田朋久・黒川尚子:訳 岩波書店)、読了。
著者は本書の主題を『哲学者が「線引き問題」と呼ぶもの、すなわち、信頼できる知識主張と、科学に似ているだけの知識主張とを、どう区別するのか、という問題』としています。著者は科学史の研究者です。
その「科学に似ているだけの知識主張」とされている疑似科学を、痕跡科学(かつては科学の範疇に含まれていたが、現在ではそうでないもの、例として占星術)、御用科学(科学的検証ではなく、政治との密接な関係により正当とされたもの、例としてルイセンコ主義)、反体制科学(主流の科学の方が様々な世俗的事情により真理の探求から外れ歪曲されており、少数派である自分たちの方が正しいとするもの、例として地球平面説)、心霊科学、グレーゾーンの科学に分類し、さらにその分類に属する疑似科学の例を挙げて紹介しています。
紹介されている疑似科学それぞれのあり方も興味深いものでしたし、「線引き」ができそうでいて、そう簡単ではない、ということも納得できました。
その一方でかなり読みにくい文章で、150ページ程度と比較的薄い本ながら読むのに時間がかかりました。原文が読みにくいのかしら? 翻訳者が3人もいて、それに監訳者までいるというところに事情がありそうで、ちょっと気になったり。