『看聞日記とその時代』(薗部寿樹:著 勉誠社)、読了。
看聞日記とは室町期の皇族・伏見宮貞成親王の日記で、15世紀前半に30年以上も書き続けられてこの時代の第一級史料とみなされています。
著者は看聞日記の現代語訳に取り組んでいる日本中世史の研究者。著者は以前から現代語訳の過程でおもしろいと思った記事を抜書していたそうで、この日記の魅力を広く知ってもらうべく、それを一般読者に向けてまとめたのが本書とのこと。
一冊まるごと時系列に記事を並べるのではなく、「中世の領主」・「宗教と芸能」・「村人と習俗」・「怪異と霊力」・「中世の合戦と犯罪」・「動物」とテーマごとに章を分けており、きちんと最初から読まなくても関心のあるところだけつまみ食いもできる構成です。
日記というのはあまり他人が読むことを前提にしていないものでしょうし、加えて600年も前の人では時代背景やその時代特有の言葉、文化、習慣、それに本人の置かれた状況がわからないと現代語訳があっても、そのおもしろさを理解するのは難儀です。しかも30年分もあるのでは、どこにおもしろい話があるのかも見当がつかないですし、最初から全部読むのは厳しい。となると、こういう現代一般人向け解説付きダイジェスト版はありがたいです。