『過疎ビジネス』(横山勲:著 集英社)、読了。
福島県北端の小さな町で計画されていた奇妙な事業(高規格の救急車を12台も購入し、それでいながらその町ではまったく使用せず他の自治体へリースする)をめぐる疑惑を、報道した東北の地域紙・河北新報の記者がまとめたもの。
読んでいて感触が『ある行旅死亡人の物語』にちょっと似ているなと思ったりしました。対象となる分野は全く違っても、一見したところではなかなか注目されにくいできごとについて、記者が地道に調査していく過程が軸になっている点が共通しているからでしょうか。
見えてくる問題がたくさんあります。
人口1万人にも満たない小規模な自治体が現代の多様な問題に対処することの難しさ、そのスキを狙って食い物にしようとする悪質事業者、機能していない地方議会、わかりにくく税金がムダに使われながら結局どこに責任があるのか不明瞭な地方振興の制度。
ただ、一番問題なのは「プロローグ」で指摘される『誰もが地域課題に無関心な「お任せ民主主義」』かもしれません。
わたし自身、地域の自治に関心があるか、これまで自ら取り組んできたかと問われれば、答えに窮するような体たらくでしかありません。住んでいるところは過疎とはいえない東京近郊圏ですが、だから、いいよね、という話では当然ないわけで。税金を我が物顔で浪費する輩に憤懣を感じつつ、同時に内心忸怩たる思いです。