『英米文学のわからない言葉』(金原瑞人:著 左右社)、読了。
著者は手がけた作品がたくさんある著名な翻訳者。わたしもいくつか読んでいます。過去に取り上げたのを数えてみたら5作ありました。
題名通り、英米文学に登場するが日本人にはなじみがなくて実体がよくわからない言葉、翻訳するのが難しい言葉を紹介するという本です。出版社側が持ち込んだ企画だそうですが、目の付け所がよいですね。エッセイ風の読みやすい内容です。
「はじめに」で「翻訳という仕事の半分とまではいわないが、四分の一くらいは調べ物だといっていい。」とありまして、プロの翻訳者もそうなんだねぇと僭越ながらしみじみ思ってしまいました。
ここ数年、自分で訳しながら英語の本を読んだりするようになりましたが、辞書を引き引き直訳はできるんだけど、その文章が何を言わんとしているのか、その肝心のところがよくわからない、というかなり情けない状態になることがしばしば。
以前、訳したら「学校をサボったことで裁判所から呼び出しが来た。」という文章になったことがあり、自分でも「誤訳かな、どこでまちがえたのかな」と思って調べていたら、イギリスでは義務教育の段階で一定回数以上学校を欠席すると裁判所から呼び出される可能性があるんですと。つまり、訳自体はまちがっていなかったのですが、日本では学校サボって裁判所っていうのはちょっと想像できません。
プロの手の内をちょっとだけ見せてもらった感じがする本です。
「付録」として過去の翻訳書の中から著者のお勧めが挙げられています(本編の内容とはズレている気がしますが、これも出版社側の希望だそう)。おもしろそうな本が多くて、どれか読んでみようかな。