『クレーとマルク 動物たちの場所』(パウル・クレー/フランツ・マルク:著 新藤真知・高橋文子:編 みすず書房)、読了。
パウル・クレーの本をまた。
といってもクレー単独ではなく、画家のフランツ・マルクという人と二人の作品が収められています。
友人だった二人が互いに送りあったハガキが残っており、どちらもそこにしばしば小さな作品を描いていました。そうした作品と、マルクが好んで描いたという動物画を、マルクだけでなくクレーが描いたものも合わせて取り上げるという、ちょっと変わった画集です。
フランツ・マルクはこの本で初めて知ったのですが、「色彩の魔術師」と異名をとったクレーとはまた別の、くっきりと鮮やかな色調が非常に印象的。そして思慮深げな動物たちに抽象画のような線が加わって、凡庸ではない独特の個性があります。わたしの好みはやはりクレーの方ですが、マルクも魅力的です。1913年3月6日のハガキの猫の絵、裏表紙に掲載されている「4匹の狐」が好き。
マルクは第一次世界大戦に出征し、1916年に戦死。36歳でした。長命を得ていればどんな作品を残したでしょうか。惜しまれることです。