
"All The Rage"( Ian McLagan:著 Pan Books )、読了。
Small Faces 、Faces の鍵盤男 Ian 'Mac' McLagan の自伝です。もともと1998年に出たものですが、2000年にペーパーバック版が出た際に加筆修正が入り(わたしが持っているのはこちら)、現在入手しやすい電子版の方は2011年にまた少し手を入れたものになります。John Pidgeon( "Rod Stewart and the changing Faces" の著者)らの助けを受けているものの、Mac 自身の手によるものです。ちなみに1995年にアップルのパワーブックを買って書き始めたそう(やっぱり Mac なのね・笑)。
今日の本 - "Rod Stewart and the changing Faces"
Mac に対するインタビュー記事は何度か読んだことがありますが、本書の書きっぷりはインタビューでの彼の話し方と共通しており、目の前にいる相手に話しかけているような感じで、軽快にジョークを交えつつそれまでの人生についてプライベートなことを含めてあけすけに綴っています。
当事者がかなり突っ込んだところまで明かしてくれているため、Small Faces 、Faces 関連の資料としては重要で、先に読んだ "Had Me a Real Good Time: The Faces" や "Anymore for Anymore: The RONNIE LANE Story" でもよく引用されていました。
今日の本 - "Had Me a Real Good Time: The Faces"
今日の本 - "Anymore for Anymore: The RONNIE LANE Story"
わたしもそのへんが知りたくて読み、もちろんその「中の人」ならではの話は十二分にこちらの期待に応えてくれましたが、Faces 解散以後の話も非常に興味深いです。The Rolling Stones 、Bonnie Raitt 、Bob Dylan らの作品・ツアーに参加している他、著名ミュージシャン多数と交流があった人だったので、エピソードが豊富です。かなり下の世代の The Replacements( Paul Westerberg は Mac の14歳年下)まで出てきたのはちょっと驚きでした。Mac は "All Shook Down" を高く評価しています。
今日の音楽 ー "All Shook Down"
人気バンドの正規メンバーから他のミュージシャンに雇われてサポートする立場へ、という変化に対応するのは心構えの面でも収入の面でもなかなか大変だったようで、The Rolling Stones のツアーに参加した時は報酬をどのくらいの額で請求したらいいのかわからなかったとか、Faces の "A Nod Is As Good As a Wink... to a Blind Horse" や The Rolling Stones の "Miss You" でもらったゴールドディスクを、どうしてもお金が必要だったので1980年代に売っちゃったとか。そういう話も書いています。
クスリもなかなかやめられなかったようで。難しいよね。
その他、Faces のツアーで泊まったホテルで他の客とケンカになり、剣道の有段者だった Tetsu Yamauchi が相手をボコボコにしたとか、1970年代、Mac が売った家を Pink Floyd の Roger Waters が買って大儲けしたとか、そんな小話も
読みやすくておもしろいです。本書を買ったのは2009年。長らく本棚の飾りと化していましたが、読めてよかったです。