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今日の本

イラストと史料で見る中国の服飾史入門

 『イラストと史料で見る中国の服飾史入門』(劉永著:作 古田真一・栗城延江:訳 マール社)、読了。

 殷代から現代に至るまでの中国の服飾をイラスト付きで解説するというもの。

 著者は中国の研究者。

 労作といっていいでしょうね。それほど厚い本ではないですが、内容はみっちりつまっています。

 絵画史料だけでなく、遺跡からでてきた像や現物(!)を元に再現したっていうのは中国らしいし、ちょっとうらやましい。唐の名将として知られる李勣の墓から出土した冠を参考にしたという記述があったりしてびっくり。本筋から外れますが、李勣の墓が現存してて発掘されているとは知りませんでした。

 日本の正倉院の伝来品を参考したものもありました。やっぱり残すって大事。

 唐代には女性の男装が流行ったとか。お化粧で顔に文様を描いたりしてますよ。

 軍服が女性のファッションに取り入れられることもあったそう。へぇ〜っ、と思いましたが、そういえば日本にもありましたね、水兵さんの服を転用したセーラー服ってやつが。

 史料が残りやすいということもあってか、歴代王朝の官人・武人・宮廷の女性あたりを中心に紹介されているのですが、歴史的にはけっこう柔軟に周辺民族の服の形式を取り入れているというのもおもしろいところ。逆にチーパオ(旗袍・チャイナドレス)は本来満州族の服といわれますが、本書では清代以前の中国の伝統的な衣装と共通するところを多いので一概にそうはいえないとしています。

 ふと気がついたのですが、履物については日本のような鼻緒がついたものはほとんど出てこなくて、現代の靴と共通するような形状のものばかりです。そこは違うのね。

 纏足についての記録は今のところ五代十国が初出とされていて、元々は踊り子が爪先立ちで踊るときのために足を布で包んだことから始まったんだそう。現代のバレリーナも同様のことをしているそうですね。

 歴史的な服飾用語がたくさん出てくるのでそこは消化しきれませんでしたが、おもしろかったです。