『シリーズ戦争学入門 航空戦』(フランク・レドウィッジ:著 矢吹啓:訳 創元社)、読了。
同シリーズ、6冊めです。
著者はイギリスの軍事研究者です。イギリス空軍の士官候補生向けの入門書を元にしているそうです。
陸海にくらべて歴史の浅い空の軍事について、本格利用が始まった第一次世界大戦から現代までの理論と実際を歴史的に解説しています。
同シリーズらしく200ページ程度で簡潔ですが、よくまとまっていて読みやすいです。
航空戦力の主要な役割は4つ、1に制空、戦域の空の行動の自由を確保すること、2に偵察、敵を発見し敵に関するできる限り多くの情報を収集すること、3に攻撃、戦場の敵戦力に対する戦術爆撃、敵の補給や増援が戦場に送られるのを妨害するための阻止攻撃、敵国の産業基盤や重要施設を破壊するための戦略爆撃、4に兵站、兵器・補給物資・兵員の輸送。
比較的最近の本ですがロシアのウクライナ侵攻以前の2020年の発表ですので、ドローンやAIについては限られた記述しかありませんが、それが将来重要になるということははっきり指摘しています。航空機が自律性を獲得する(つまりAIを使ってということでしょう)のは時間の問題で、その時は重大な道義的・法的問題に取り組む必要が出てくる、としています。
空の戦いで敗北すれば戦争にも敗北する可能性が高い、しかしながら、航空戦力は重要であってもそれだけで戦争の目的を達成できる見込みは低い。このこともおぼえておきます。