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今日の本

昭和史【合本版】

 『昭和史【合本版】』(中村隆英:著 東洋経済新報社)、読了。

 昭和史。個人的に知識が弱いところだよなと思って読みました。64年間の通史です。

 昭和の前史としての大正後半の状況と当時の日本の体制の解説から始まり、1989年の昭和天皇の死で終わります。

 著者は経済学者。

 昭和が終わって、まだ間もない1993年に出ていたというのがちょっと驚き。すでに30年以上が経過しているのですが、かなり評価されているらしく去年2025年に新装版が発売されたりしています(ケチ臭いことを言えば、同じ電子版でも新装上下2巻よりこっちの合本版の方が安かったです)。

 学者らしい堅実な文章ですが、それでいながら読みやすい方だと思います。専門分野が経済ということもあって経済関係の指標やグラフなどがよく使われているのが特徴です。

 激動の時代だったことを考えればかなり簡潔にまとめているとは思いますが、それでも全体で700ページ近く。一読では全体を把握しきれませんでした。

 その上で何か言うとすれば、まず戦前・戦中と戦後では同じ国で同じ昭和という元号を使っていても、まったく違う時代になっているということ。これは(この本に問題があるというのではなく)、時代区分としての「昭和」というものが適切ではないと痛感させられます。なにせ憲法が違うのですから。これは根本的なことであるはずなのに。

 読んでいても戦前・戦中は国に対して巨大な影響力を持った軍が、戦後は(自衛隊という形にいわば「転生」したとはいえ)消滅してしまったことで、なんというか見える景色が違うという感じになっています。

 昭和も終わりごろとなると、わたし自身が知っている時代になるのですが、こうして歴史として読むと「あれはそういうことだったのか!?」と今さらながら気がつき、自分の浅はかさが情けなくなってきてしまったり。でも、そういう体験をあえてする必要はあるなとも思わされます。

 もう一つ言うと、いつのまにか経済大国になってしまった日本が「次の方向をどこに定めるか」が「近い将来の政治の課題になるであろう」と最後の方で著者が述べているのですが、「次の方向をどこに定めるか」ということを完全に失敗してしまって今に至るも定まっていないというのが、悲しいことですが現状であるように思われます。

 折りに触れて読み返そうと思いますし、他の昭和通史も読んでみようと思います。