『女たちの平安後期』(榎村寛之:著 中央公論新社)、読了。
以前読んだ『謎の平安前期』の著者による、女性を中心にたどった平安時代後半200年、という本です。
『謎の平安前期』の続編的な位置づけともいえそうですが、女性に焦点を絞っているという点で異なります。記述は基本的に時代順ですが、このテーマに沿った内容になっているので、通史的とは言いにくいです。
平安時代後半といえば「武者の世」に向かう時代という印象があり、前九年・後三年の役や保元・平治の乱といった戦乱、でなければこの時代の政治の特徴である院政に注目が集まりがちですが、血縁関係が鍵になる時代だった、ということと同時に女性が十分力を持っていた時代でもあるということがわかる本です。この時代以降、女性は地位を落とし続けていったのでしょうか。
通史的ではないということで、この時代の概略を予め知っておかないと理解しにくいとは思いますが、光のあて方によって、時代の見え方も変わってくるものだなと実感するおもしろい本です。
最初の年表で、平等院鳳凰堂を「来世テーマパーク」と書いてあるのには笑いました。