『日本史の現在 5 近現代①』(鈴木淳・山口輝臣・沼尻晃伸:編 山川出版社)、読了。
新史料の発見や研究の進展に基づいた日本史の現在の研究状況を解説するシリーズ『日本史の現在』全6巻の5巻め。
近現代は2分冊になってます。本書は主として幕末維新から戦前期まで。100年に満たないくらいの期間です。近世が対象で300年に満たない期間を範囲とした前巻でもだいぶ詰めこんだなという感があったのですが、本書はさらに傾向が顕著になっています。取り上げなければならない項目が多いのは当然なんですが、だんだんこっちもついていくのが大変になってきました。各章の記述も限られた紙幅で書かなければいけないことが多すぎるせいか、駆け足の文章になっているものが少なからず見受けられ、理解しにくいものになっている印象です。
「はじめに」にあるように、このシリーズは現在の高校の歴史教科書を前提にしているのですが、歴史教科書の記述自体、わたしが習った数十年前と変わってしまったところが少なくないわけで。おまけにわたしらの世代って、近現代ってちゃんと教わってない場合が多いのです。わたし自身についていえば授業は明治期までで大正デモクラシーあたりまでいかなかったんじゃないかしら? 教科書の原敬の写真にいたずら書きしたのはおぼえていて、たしかそのページにたどり着く前に終わったと思います。
当時、学校ごとの授業の進度の違いから大学受験の歴史で近現代の問題が出しにくく、なので高校の方でも近現代には力を入れない、とかいう本末転倒な現象が起きていたせいだとかいう話がありました。ホントのとこはどうだか、わかりませんが。とにかく、そもそも、高校でちゃんと近現代やってないのよ。おかげで本書は余計キツかったです。
興味深い論点はやはり多いので、自分の理解力不足が残念。
後半の章で「大衆消費社会」「女性の社会進出」「メディア」「通勤通学と電車」といったテーマが並ぶのは近現代らしいですね。