『老後の家がありません』(元沢賀南子:著 中央公論新社)、読了。
著者は新聞社出身でフリーランスの編集者・ライターの女性。わたしと同年代です。
副題に「シングル女子は定年後どこに住む?」とあります。わたしはとりあえず住む場所は確保できてるし、定年のある正社員でもないし女子でもないんですが、もう少し歳をとって仕事から引退したら、今とは別のところに住むかもしれないなぁと漠然と考えてはいるので、何かの参考になるかも、と読んでみました。
「はじめに」によりますと、著者はずっと賃貸で暮らしていたそうですが、賃貸に住み続けることに不安を覚えるようになった(年金暮らしになると住居費負担が重い、安いところに引っ越すにも高齢になってからだと貸してもらえないかもしれない等々)ところへ、コロナ禍で職を失い借りていたアパートからも追い出されて行くあてもなくバス停にたたずんでいた女性が撲殺されるといういたましい事件(わたしも記憶しています)もあったりしたことから、真剣に自分の老後の家問題に向き合うことにしたとか。
と書くと深刻なルポルタージュかと思われそうですが、内容は著者自身の家探し試行錯誤の体験記ともいえるような内容で、本文のノリはかなり軽く明るく。この年代で陽性の女性ってこんな感じだよな、とつい思ってしまいました(偏見)。また、住宅問題の研究者とか不動産業界の人とかではなく、記者出身がというのがなんとなく納得できる書きっぷりでもあります。
ノリは軽くとも著者が自身のこととして取り組んでいる問題で、かつ現場に行った実体験に基づくものでもあるせいか、かなり実用的な情報があり、わたしの場合、UR賃貸や地方移住の話が参考になりました。著者が本命にしているらしいマンション購入についてはあまり考えていないのですが、それだけに知らないことが多く、購入時の注意点、ローンの条件なども興味深く読めました。