『ペルシャの神話』(岡田恵美子:著 筑摩書房)、読了。
この前、同じちくま学芸文庫で出ていた『インド神話』を読みましたが、今回はペルシャ神話。現在のイランの神話です。
イランは日本にとってそれほどなじみのある国ではないので、「はじめに」で著者によるちょっとした解説があります。ここで神話とは別に、まず『「イラン」とは、アーリア人種を意味するアーリアンの変形したもの、「ペルシャ」はイラン南部のファールス地方の意味を持っています。』とのこと。おおっ、そうなんだ。で、厳密にはイランの方がペルシャより広い意味を持つのだけれど、文学や文化を指す場合はペルシャを使うので書名もそれに従ったそうです。
そもそもイランってイスラム圏なのに(イスラム教と関係ない)神話があるの?っていうのがまず疑問だったのですが、イスラム化以前のお話が残っているのですね。キリスト教圏のギリシャ神話とか北欧神話みたいな感じかしら。光の神アフラ・マズダーと闇の魔神アハリマン。聞いたことあるな。
もっとも純然たる「神話」、神様たちのお話はちょっぴり。大半は人間の王や武将が中心の神話的英雄譚とでもいうものが続きます。本書で紹介される神話は文字に書かれたのがイスラム化以降なのだそうで、その影響を受けているらしい(アッラー以外の存在を「神」としては書きにくいのでしょうね)です。
霊鳥スィームルグ! ゲームに出てきた!(また、そういうところから・・・)
英雄ロスタムの話は、ちょっとアイルランド神話のクー・フーリンを思い出しました。
なお、本書は1982年に出版されたものの文庫化だそうです。イラン革命からまだ数年しか経っていないころですね。そのせいか、挿絵に出てくる当時のイラン家庭の人たちの着ているものが明らかに西洋風で、ああ、そうかと。