『みえないもの』(イリナ・グリゴレ:著 柏書房)、読了。
非常に個性的な文章の前作が印象に残っていたので、同じ著者の作品をもう一冊読んでみました。今年出たものですね。
やはり独特の感性と文体です。ひょっとして、この人は詩のように文章を書こうとしているのでしょうか?
前半は著者の身辺にまつわるエッセイ。前作の流れを引き継いだ本なのかなと思っていると、途中で文体は変わらないのに三人称の語りになり、あれあれと。そこからの何篇かは語られる人物もそれぞれ別。
「あとがき」によると、「この本では、弱者としての女性、みえないものとしての女性、彼女らの誰にも知られなかったエピソードを、フィクションとノンフィクションの境界線をまたぎながら書いてみた。」とのこと。なるほど。
話の中に Pink Floyd の "Shine On You Crazy Diamond" と "Wish You Were Here" 、それに Radiohead の " Exit Music (For A Film)" が出てきて、ちょっと虚を衝かれた気分に。つい久しぶりに各曲聴いてしまいましたよ(どれも収録アルバム持ってます。)。本書の雰囲気によく合ってます。曲をご存知の方はそれでイメージしてみてください。
蛇足ですが、前作と本のデザインが共通している感じなので、てっきり同じ出版社からシリーズ的に出たものかと思ったら、別々の出版社から出ていました。装丁を担当している人が同じなのですね。