『てがみがきたなきしししし』(網代幸介:作 ミシマ)、読了。
今年の3月に読んだ絵本『勇士アフマド』、なかなか良かったのですが、絵の担当者が単独で絵本を出していると知って読んでみました。
まず、題がいいですよね、「きしししし」。これですよ。「きしししし」。こういうセンス、好き。
『勇士アフマド』はオトボケ感が楽しい絵本でしたが、こちらはダーク・・・。西洋風初期諸星大二郎的(『妖怪ハンター』とかの)不気味な世界が展開されます。絶対いいことは起こらない、人は無力なのだ、と予告しているような暗い画面が続きます。それでも懐中電灯持って職務に忠実な郵便屋さんがお気の毒・・・。でも、出てくる魔物たちはなんかカワイイ感じ。不気味なんですけどね。なんというか、「ゆるゴシック」とでもいいましょうか。
わたしはとても気に入りました。でも、これ、子ども向きかなぁ・・・。出版社のサイトには対象年齢の表示はなかったけど。こういうの好きな子にプレゼントしたいような本なんですけど、合わなくて夜眠れなくなったりうなされたりしたらマズいもんな・・・。ひょっとして大人向けなのかしら?