『日本史の現在 4 近世』(牧原成征:編 山川出版社)、読了。
新史料の発見や研究の進展に基づいた日本史の現在の研究状況を解説するシリーズ『日本史の現在』全6巻の4巻め。今回はほぼ江戸時代。実質300年に満たない範囲で、これまでの巻よりだいぶ対象期間は短くなっているはずですが、史料は格段に多くなっている時代なので、教科書を作る側・教科書で教える側にはそれゆえの悩みもあるようで。
「あとがき」によれば、多様な研究による豊かな成果も得られているが、反面、多元化・細密化して整理がつけにくい、現行ですら教科書のボリュームは相当なもので学習する高校生の負担は大きく紙幅はそうそう増やせない、ある分野で研究が進んでその内容を充実させようとすれば他の項目を削らなければならないがそのバランスは・・・、等々、だそうで。「あとがき」を担当した編者だけでなく、個別の章(20章あります)を担当した著者の中にもそうしたことを書いている方がちらほらと。難しいよね。
「環境と生業」という章が設けられているのは現代的。
外交分野では幕府と清が摩擦を避けるため公式に国家間の外交関係を結ぶことをせず、民間・非公式の関係にとどめることを「暗黙の了解」としていた、というのはおもしろいです。
「浄瑠璃」は特定の芸能ジャンルを表す言葉ではなく、広く「語り物」を意味する総称、というのは初めて知りました。わたしは人形浄瑠璃だけを指すものだとばかり。
女性視点の歴史は、これから充実させるべき分野でしょうが、紙幅が・・・。どうすれば・・・。
シャクシャインの戦いは、わたしら世代の教科書では載ってなかったよな。
大名屋敷と江戸詰の武士の生活、書物の広がり、農民社会などの章もおもしろかったです。
どの章も駆け足になっている感は否めませんが、それでも今回も良い内容だったと思います。
続巻も読むつもりです。