『空色心経』(こうの史代:作 朝日新聞出版)、読了。
しばらく新作が出ていなくて、どうしたのかなと思っていたら、本書の「おしまいに」に「数年前からわたしはある作品の構想を練っていたのですが、完全に行き詰まっていました」とありました。そういうことでしたか。
本作は般若心経をめぐるお話。前作のテーマが百人一首で、今回、これ・・・。著者独特のカッ飛び方は一貫しているなぁと、もはや感心。
観自在菩薩と仏弟子の対話、そして現代日本に生きる男女の暮らしが交錯して進むお話です。場面によって、描線が黒と青で描き分けられているのも独特の感覚ですね。少し息苦しい雰囲気が漂うのは「完全に行き詰まっていました」という著者の心境も反映されているのかしら?
現代日本の場面では、般若心経の文字が書かれた手ぬぐいが重要な小道具になっているのですが、わたし、同じようなの、持ってます。
お寺さんでお土産に売ってますね。わたしは永平寺で買ったんだっけか・・・。