『systemdの思想と機能』(森若和雄:著 技術評論社)、読了。
OS起動時、最初に動作し他のプロセスを起動する役割を持ったプログラムとして、Linux では長らく init が使われてきましたが、ここ十数年で Debian 、Red Hat といった主要ディストリビューションでは systemd が代替として採用され、今ではこちらがすっかり主流となりました。
わたしも自宅サーバーを管理していますので、しばらく前から systemd を触るようになっていますが、どうも仕組みがよくわからない。ディストリビューションが用意しているパッケージをちょちょっと入れて、デフォルトの設定のままで動かす分には、あまりいじる必要もないのも確かですが、自作プログラムをインストールしてデーモンとして動作させる、といったことまでするようになると、多少のことは知っておかないとうまくいかなくなります。
というところで本書です。今のところ、systemd の日本語解説書というとこれくらいではないでしょうか。「ちゃんとマニュアル、読めよ」って、そりゃそうでしょうけど、英文を一から全部読むのタルいじゃん・・・。
読んで驚いたのは systemd が、プロセスのための環境を整備する目的で、ログ、デバイス、ユーザ管理等、非常に広い範囲の機能を備えていることです。init 代替というだけではありません。
そのため、著者によれば「本書はsystemdが何を提供しているかの概要をつかむことを目的としています」とのことで、各機能の詳述までには踏み込んでいません。本自体200ページ程度とわりと薄いものです。膨大な systemd の構成機能群の中で、何をどうしたらいいのか迷子にならないように見通しをつけ、まず使われそうな基本的な操作方法を知るための本、ということだと思います。
この本に書いてある以上の深い知識が必要になったら、それこそ「ちゃんとマニュアル、読めよ」ってわけで、ある意味割り切った姿勢の本ですが、わたしはこれはこれでいいと思います。
逆にちょっとサーバーいじるくらいなら多分必要のない機能も紹介されていますが、それはそれでサラッと目を通しておけば、何かあった時、「そういえば・・・」と気がつくこともあろうかと。
cron 代替や時刻調整の機能まであるんですね。新サーバーで早速応用しました。