
『街角の書店』(中村融:編 東京創元社)、読了。
英米短編小説のアンソロジーです。副題が「18の奇妙な物語」とあり、作者の異なる18篇収録。江戸川乱歩の造語「奇妙な味」に該当するような、「編者あとがき」の言葉によれば「読後に論理では割り切れない余韻を残す、ミステリともSFとも幻想怪奇小説ともつかない作品」を中心に、かつ「ブラック・ユーモア」の作品を選ぶようにしたとのこと。
最初の「肥満翼賛クラブ」がいきなりヘンテコなお話。傑作とか名作とかいう形容は全く似つかわしくない、小説の品というか質というか、そういった点ではB級かそれ以下という感じなのですが、「奇妙な味」という観点からならば、なるほどという内容です。なお、作者であるジョン・アンソニー・ウェストについて、編者は正体不明で「なにもわからない」としていますが、英語版 Wikipedia にそれらしき人の記事がありました。
John Anthony West - Wikipedia
ジョン・スタインベックといえばノーベル賞作家ですが(わたしはこれまで紀行文の『チャーリーとの旅』しか読んでなかったですが・・・)、こんな変なお話も書いていたとは。
おおっ、シャーリイ・ジャクスンの短編も。また、いやーな感じの作品か、と思わず身構えてしまいましたが、全然違って拍子抜け。こういうのも書く人なのね。
今日の本 ー 『ずっとお城で暮らしてる』
フレドリック・ブラウン! この人の作品はずいぶん昔にいくつか読んでいます。懐かしい(『フレドリック・ブラウンは二度死ぬ』とか、ご存知の方はいらっしゃるだろうか?)。この雰囲気は好き。でも、こういう作風の人だったっけ?
『短編ミステリの二百年 1』にも入っていたイーヴリン・ウォー、こちらの作品の方がいいな。
今日の本 ー 『短編ミステリの二百年 1』
収録作品の選択基準はおそらく、わたしの好みとはやや異なるようで、どの作品も楽しむことができた、とはいきませんでした。読後感が「奇妙な味」というより、「ん? この結末でいいのかしらん?」と肩すかしというか、首をひねってしまうようなものが多かったです。
とはいえ、これだけバラエティに富んだ作品を選べるのは、それだけ読んでいる人ならでは。簡単なことではありますまい。好みが合えば、価値の高い一冊かと。