『ルポ日本の縮図に住んでみる』(日本経済新聞社:編 日本経済新聞出版社)、読了。
新聞の連載記事「住んでみる」シリーズをまとめたもの。これは50〜60代の記者が日本各地に1ヶ月ほど住みこんで、その土地の暮らしの様子を報告するというもの。時間に限りがあり、その場限りとなりがちな通常の取材とは異なる取り組みをしてみようということで企画されたとか。
選ばれた場所は、日本最西端の島、横浜のドヤ街、奈良の山中の若者自立寮、北海道の馬産地、愛知県のブラジル人出稼ぎ者が多数住む団地、岡山のハンセン病療養所の6ヶ所。
2008年から2009年にかけての連載で、やや情報として古いものになったしまったので現状は各地変わってしまっているかもしれません。
横浜のドヤ街は、以前横浜に住んでいた時に別の場所に用事があってそこを通り抜けたことはありました。ドヤ街とは知らずなんだか妙な雰囲気だなと感じたのをおぼえています。
北海道の浦河町も行きました。国道沿いに牧場が広がっていて、どうしたことか、柵の中に1頭だけポツンと放されてる馬がいて、車やバイクが通りかかるたびに人恋しげに寄ってきていました。
強く印象に残ったのは、やはりハンセン病療養所。重いです。強制不妊手術の話も出てきます。昨年、裁判で旧優生保護法は憲法違反、との判決が出ましたが、この連載の時点からでも十数年・・・。
内容とは直接関係ないことですが、6ヶ所、それぞれ別の記者が担当しているのに、文体がどれもよく似ていることに気がつきました。自分の好きなように自由に書ける作家と、会社に所属して組織の一員として一定の基準のもとに書く立場では、なるほど違うんだなと今更ながら感じたり。