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開店休業の記

今日の本

あのメニューが生まれた店

 『あのメニューが生まれた店』(菊地武顕:著 平凡社)、読了。

 早い話、「元祖〇〇」の料理店を紹介する本です。50を超えるお店が登場。そのお店を発祥とする料理の逸話と写真、それとお店の簡単なデータで構成されています。

 当然のことながら、写真がどれも美味しそう。

 逸話もおもしろい。ハヤシライスという名前はハッシュドビーフからきているのではなく、ハヤシさんが作ったから? ねぎとろ巻のとろもマグロのトロからきているのではない?

 そのねぎとろ巻も味噌ラーメンも豚の生姜焼きも、意外と最近、戦後になってから考案されたものだったり。ねぎとろ巻は昭和39年(1964年)、味噌ラーメンは昭和30年代前半、豚の生姜焼きは昭和20年代後半。維新前後にその原型があったというハヤシライスの方がずっと古いという。また、実はソースカツ丼の方が卵とじのカツ丼より先行していたらしいです。これも意外。

 お店の多くは所在地が東京。食い倒れの大阪が圧倒されているのも意外。

 たくさんお店が掲載されているのに1軒も行ったことないや。親子丼の「玉ひで」や、つけ麺の「大勝軒」は近くで働いていたことがあって、知っていたんですが、どっちもいつも混んでて、行きそびれました。そこはさすがというか。

 食べに行きたくなりました。そう思わせれば、この手の本としては成功ですよね(苦笑)。