『あなたはこうしてウソをつく』(阿部修士:著 岩波書店)、読了。
表紙カバーの二人の男性、誰なのかと思って読んでいったら、どうやら性善説の孟子と性悪説の荀子のようです。ひょえっ。
内容は中国の古代哲学とかではなく、書名にある「ウソ」についての現代科学研究の成果を紹介するポピュラーサイエンスです。著者は、認知神経科学の研究者ですが、そちらに進む前は東洋史専攻だったそうで、それでこういう表紙になったらしい。
科学でウソを見抜くことはできるのか? どういう場合に、あるいはどういう人がウソをつくのか? ウソと脳の動きとの関係は? といったところが現時点でどの程度科学的に解明されているのかを紹介しています。
ウソの研究。なかなか難しそう。データ、取るのが大変じゃないかしら? 倫理的な問題もあるだろうし。研究結果について、再現性に問題があったり、解釈で評価が割れることもある、といったことにも言及しています。でも、興味深いですよね、ウソって(苦笑)。
日本の研究者らしく、おもしろおかしくはありませんが実直な文章です。ガチガチに堅苦しくもなく、読みやすいと思います。量としては130ページほどですから薄いのですが、内容はしっかりある本です。