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開店休業の記

今日の本

あるある! 田舎相続

 『あるある! 田舎相続』(澤井修司:著 日刊現代/講談社)、読了。

 特に相続に関係ある立場ではないのですが、ちょっと「田舎相続」という言葉にひかれて読んでみました。

 著者は埼玉県北西部で活動する司法書士・行政書士。

 本書では田舎相続の大きな特徴として「土地がついてくること」を挙げています。土地の価値が高い都市部と異なり、むしろ「厄介資産」になっていることも多いとか。また、田舎の方が地縁・血縁関係が濃いため、相続がこじれると余計、後に尾を引いてしまうという傾向もあるそうです。

 そうした実情を踏まえて、相続の際にトラブルになりがちなポイントを具体的な例をあげながら解説する、という本です。初心者向け実務寄りの本としては、読みやすくわかりやすくて、なかなかよいなと思います。

 もっとも、内容の半分以上が田舎だけでなく都市部でも気をつけなければいけないことではないかなと思うのですが、そこはまあ、どっちにしても要対策ということで、それもよいのかも。

 ところで、わたし、著者の活動地域である秩父地方の不動産紹介サイト「ちちぶ空き家バンク」を、興味本位で時々見ています。

 物件の中には「農地法3条の許可が必須」と注意書きがついているものがあり、「これ、なんだろな?」と思っていたのですが、本書の最初の事例がいきなり農地がらみの相続です。なるほど、そういうことか。リアルだ(笑)。

 おまけで秩父市の中小企業診断士との対談や横瀬町の町長の寄稿がありまして、あのへんは何度か旅行で行って現地を見ているので実感がわきます。そこで田舎の相続にともなう事業承継について「(地元では)昔ながらの民宿が成り立たなくなった。古民家ゲストハウスというビジネスモデルのほうがいいかもしれない」という発言があったのですが、わたし、秩父に行ったとき、まさにそういうところに泊まったおぼえが・・・。