『クラース』(ジリー・クーパー:著 渡部昇一:訳 サンケイ出版)、読了。
ちょっと古い本です。原著は1979年にイギリスで出たもの。著者はイギリスのジャーナリスト・作家です。
原題も "CLASS" 、日本版副題には『イギリス人の階級』とあります。原著発表から40年以上経た現在でも階級が意識されるというイギリス社会。その階級それぞれの特徴を、架空の人物に仮託して描写したものです。学術的な研究書ではなく、あくまで読み物、あるいは皮肉の効いた社会批評、という本です。教育、職業、家、宗教など20以上の項目について、それぞれの階級の「らしさ」を挙げています。
Ronnie Lane 関係の本を読んでいると、やはり階級のことが時々出てきます( Ronnie は労働者階級出身)。Faces の "Too Bad" は、人気者になったから歓迎されるかなと上流階級のパーティーに行ってみたら、数分で身長180cmの執事に追い出されてしまった、という歌です。
だもんで、そのへんの事情をもう少し知りたいな、と読んでみました。発表からかなり時間が経ってしまっている本なので、さすがに今のイギリスの状況とは違ってしまっているでしょうが、Ronnie が暮らしていた頃のイギリスの話なので、わたしにとってはむしろ都合がいいかなと思って。
感想はちょっと冗長過ぎ。話がかなり細かなところまでおよんでいて、具体的なイメージがわかない日本人にはついていくのが難しい内容だと思いました。イギリス人自身なら日本人には執拗にも感じられる細かさも身近に感じられるところであり、おもしろがれるのでしょうけどね。
もちろん参考になる部分もありました。例えば「教会通いを励行する傾向は、社会的階級を下るにつれて著しく少なくなるようである」と書いてあったのですが、そういえば Ronnie Lane 関係の本に教会その他キリスト教関連の話って、ほとんど出てこなかったなと思いあたりました。
また、階級によって言葉の使い方や発音が違うということが繰り返し指摘されています。そういえば "Too Bad" の歌詞はこんなんでした(かなり意訳↓)。
♪ ひでぇーや
♪ ちょっと社交ってヤツをしてみたかったのに
♪ 何が悪いってんだよ
♪ おれたち、ちゃんとしたアクセントでしゃべれねぇだけじゃねーか