『「生きている」とはどういうことか』(カール・ジンマー:著 斉藤隆央:訳 白揚社)、読了。
たじろいでしまうほど根源的な問です。
生物と生物でないものの境界は何か、過去の研究の歴史と現在の最先端の研究の現場を行き来しながら、その答えを探ったポピュラーサイエンスです。著者はアメリカのサイエンスライター。
人工的に増殖させて作った脳細胞のかたまり、死の判定、代謝、問題解決する粘菌、最終的に否定された学説、RNA ワールド・・・、と話題は多方面にわたり、とにかく盛りだくさんで、正直ついていくのがやっと、というのが感想ですが、それだけに読み応えは十分。
「生命」の科学的な定義を行う試みは、今までにも数多くあったのですが、だれもが賛同できる明確な生命の定義は未だないそう。逆に、「生命」の定義を行うには、まだまだ我々は「生命」についての知識が不足しているのではないか(これだけ研究が進んでも!)、という指摘が出てくるような状況だとか。