『調べる技術・書く技術』(野村進:著 講談社)、読了。
本書の「プロローグ」で本書のねらいについて、著者は「ノンフィクションのテーマ設定、資料収集、インタビューのアポとりと準備、インタビュー(聞き取り、観察、記録)、ネットワーク作り、資料整理、そして執筆の準備から脱稿までの方法を、できるかぎり具体的に記したい」としています。実際、ほぼそのとおりの内容になっています。
著者は著書多数の本職のノンフィクション・ライター。
わたしは著者の本は初めてで、こうしたライター入門のような本も初めてですが、250ページ程度の新書、ということを考えれば充実した読ませる内容です。これも一種のノンフィクションともいえるわけで、なるほど手練れであるなと思わせます。
本を書きたい、書く仕事をしたいと思っているけど、どうやって「仕事として書くこと」を学んだらいいのかわからない、という人が、まず読んでみる最初の一冊としてよいのではないかと思います(わたしは書く仕事をしているわけじゃないから、いいかげんな感想ですが)。出たのが2008年と少し以前のものなので、取材道具の中にテープレコーダー(今じゃ使いたくても入手困難では?)が入っているなど、古びてしまっているところもありますが、全体としては現在も十分参考になる内容ではないでしょうか。ノンフィクション向けですが、創作を志す人にも得るところがあるような気がします。