『月のしかえし』(ジョ-ン・エイキン:文 アラン・リー:絵 猪熊葉子:訳 徳間書店)、読了。
短篇1話、童話です。出版社によれば対象年齢は5歳からとなっていますが、読み聞かせならということでしょう。自分で読むなら小学生になってからかと思います。
16世紀頃のお話。馬車を作る職人の子・セッピーは、国一番の上手だったおじいさんのようにバイオリンが弾けるようになりたい。不思議なお告げに従い、言われたとおりの方法で月に願いをかける。月は願いをかなえてくれたが、同時にセッピーに呪いもかけてしまう・・・。
訳者によると、「西洋の伝承を組み合わせ、エイキンの奔放な空想力でひとひねりした作品」とのことです。そのせいか、どこか古風なおとぎ話の香りが漂います。
絵が『指輪物語』の挿絵で知られるアラン・リー! 気品ある絵が物語を引き立てています。幽霊の王さまが『指輪物語』っぽいです。
作者のジョ-ン・エイキンはイギリスの児童文学作家。わたしはこれまで知らなかった人ですが、他の作品も読んでみたくなりました。