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開店休業の記

昨日の行楽

「みちのく いとしい仏たち」展

 都内に出る用事があったので、ついでに東京ステーションギャラリーで開催中の「みちのく いとしい仏たち」展を観に行ってきました。

 東京ステーションギャラリーは、東京駅の丸の内側の駅舎内北口改札付近の一部を使った美術館です。聞けば開設は1988年と、けっこう前からあった施設ですが、わたしは今回初めてでした。

 この展覧会は、東北でも北部、青森・岩手・秋田の民間仏を集めて展示するというもの。民間仏というのは、大都市の工房の専門仏師が作ったのではなく、地元の大工や木地師の手による仏像を指すそうです。小さな村のお堂や民家で祀られていたものばかりらしいです。

 素人でも観ればわかるとおり、技術的には稚拙なものばかり。でも、素朴な表情がとてもよいものばかりで嬉しくなってきます。造形もユニーク。知識や技術が欠けているからなのかもしれませんが、それが必ずしもマイナスになってない感じです。

 身体表現の均整がちゃんととれていない像がいっぱい。神様、仏様というより、近所のそのへんの人みたいなお顔立ち。変なポーズ、ひょうきんな表情で全然怖くない鬼。手を合わせたお姿が傾いでる仏様。赤子をしっかりと抱いた子安観音様。

 とっても親しみ深くて、国宝や重文の荘厳な仏像などより、個人的にはこちらが好みかも。もちろん、図録、買いました♪

 注目されにくいこうしたものを集めて展覧会とは、実によい企画でした。