
『遠野物語』(柳田国男:著)、読了。
日本の民俗学の記念碑的著作。ですので、ほうぼうでよく引用されており、それですっかり読んだ気になっていましたが、実はちゃんと読んだことがなかったことに気づき、読んでみました。
1910年初出だそうですから、すでに100年以上前ということになります。時代のゆえか、文語調で読みやすくはないです。ただ、一つ一つの話は短いので、少々忍耐力があればついていくことはできると思います。
内容は、著者の知人が語る岩手県遠野地方の伝承を書き留めたもの。著者が「思うにこの類の書物は少なくも現代の流行にあらず」と言うように、すでに20世紀に突入、明治も終盤という時代にあって、こうした話は前近代的な迷信の類として、顧みられることなく消えていく運命にあったかと思われます(この時点ですでに消えてしまった伝承も多いでしょう)から、とにもかくにも「よく記録しておいてくれた」とありがたく感じます。この時期にこうした言い伝えを記録しようとする試みがなければ、ここに掲載されている話だけでなく、他の多くのものもその価値が認識されず、そのまま消えていったかもしれないのですから。
おかげで現代の我々が天狗、雪女、河童、オシラサマ、ザシキワラシといった存在に親しむことができるのです。小説、マンガ、アニメ、映画、ゲーム等、彼らを登場させている現代のファンタジーや怪奇物の作者は特に感謝すべき!(笑)
久し振りの青空文庫です。『源氏物語』以来、なんと11年振り。サボりすぎだわ(笑)。
今日の青空文庫 - 『源氏物語』
今回は「青空 in Browsers」でPCから読んでみました(下の画像)。

なかなか読みやすい! また、いろいろ読んでみます。
青空文庫 - 『遠野物語』