
『メアリ・ポピンズ』(P・L・トラバース:著 岸田衿子:訳 安野光雅:絵 朝日出版社)、読了。
有名なイギリスの児童文学です。発表されたの、戦前(1934年)なんですね。
バンクス家には子どもが4人。子守が急にいなくなって困っていたところへ、風に乗ってメアリ・ポピンズがやってきて、代わりの子守になってからというもの、不思議なことが次々と起こって・・・。
この分野では古典的な名作ということで、映画化されています。そちらも有名で、わたし、子どもの時に観たことがあります。幼かったので内容はほとんど憶えていないのですが、メアリ・ポピンズがなんだか、おっかない人だったのは印象に残っています。
今回、初めて原作を読んで、こちらのメアリ・ポピンズも気難しくて怒りっぽく描かれていることを知りました。そうだったんだ!
名作だけあって、翻訳も複数出ています。安野光雅の絵にひかれてこの岸田衿子訳版(元は1993年に別の出版社から出ていたものの再版)を選びましたが、これ、大人のわたしはともかく、子ども向けとしてはどうだろう? 対象年齢の記載はないのですが、ふりがながほとんどないので小学校低学年では厳しいかな。いきなりガイ・フォークスなんて名前が出てきたり、「右はいいほうなんだから」という日本語としては意味が取りにくい言い回し(多分、「右」「正しい」両方の意味がある right から来ていると思われます)が使われたりしても、その説明はありません。イギリスの子どもなら不要でしょうが。