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開店休業の記

今日の本

アイヌ民族と日本人

 『アイヌ民族と日本人』(菊池勇夫:著 吉川弘文館)、読了。

 副題に『東アジアのなかの蝦夷地』とありまして、アイヌ民族と、彼らに対し東アジア的な華夷観念をもって接し続けた日本人との関係史、ということになります。元は1994年に別の出版社から出ており、今年2023年に再版された本です。著者は日本近世史・北方史の研究者。

 30年近く前に発表されたものなので、おそらく研究が進んだ現在ではちょっと古びた内容になってしまっているかもしれません。また、著者にとって一般読者向けの書き下ろし一冊は本書が初めてだったそうで、著者自身言うように、ややぎこちないというか、読みにくさは感じます。

 一方、華夷観念を通してアイヌ民族を見ていた和人側の意識や、華夷秩序における「夷」とされながら近世には日本の国内経済に組み込まれてしまったアイヌ民族が苛烈な収奪の対象となっていった状況について詳しく、現在でも価値のある内容に思われます。