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開店休業の記

今日の音楽 ー 異世界

Tibetan Buddhism - The Ritual Orchestra and Chants

 今回はノンサッチの「エクスプローラー50+」から。

 "Tibetan Buddhism - The Ritual Orchestra and Chants" 、チベットの仏教音楽です。1973年の録音です。

 これ、日本でいうところのお声明ですよね? 乱暴に言うと、節をつけたお経のコーラス、というところでしょうか。

 全3曲、それぞれ14分、12分、25分と長いです。

 遠く離れたチベットですが、その唱え方は日本のと共通した感じはあって、「ああ、似てるな」と思いつつ聴いていたのですが、こちらの方が妙な迫力があります。地の底から湧き上がってくるような。

 1曲め、最初は声が中心。ゆったりと同じような調子が続きます。で、油断していると半分過ぎたあたりで、太鼓と鈴のような音が入ってにわかに緊迫した雰囲気になっていきます。そして終盤にいきなりホルンのような音が響き、ドキリとします。

 2曲め3曲めは冒頭から音域の違う吹奏楽器が激しく異様に交差し、恐ろしげな世界に。その後、低〜い声が戻ってきて重い空気は残るものの、いったん落ち着きます。しかし、その後も時折不穏な打楽器、吹奏楽器が挟み込まれて、心を揺さぶります。我知らず「ひぃっ」と声を上げてしまいそうです。そのはずで、この2曲は地獄の王に献じられるものだそう。

 仏教音楽というので、心安らぐ境地が展開されるのかと思いきや、とんでもない。映画『ロード・オブ・ザ・リング』のモルドールの場面にふさわしい(このバチあたり!)、と形容すれば(映画観た人には)多少わかっていただけるでしょうか?

 印象は強烈。一聴の価値があると思います。