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開店休業の記

今日のマンガ

守娘

 『守娘 上・下』(小峱峱:作 KADOKAWA)、読了。

 また、台湾のマンガを。作者の名前は日本読みだと「シャオナオナオ」となるそうです。一方、タイトルはローマ字で「Mori Musume」とあてられていますが、それは違うんじゃ・・・。

 台湾の伝説を基にした物語です。

 清代、台湾の地方官の部下である兄と兄嫁と暮らす娘・潔娘(ゲリョン)は、周囲から結婚を勧められる年頃だが、気乗りしない。先々どうしたらいいのか悩んでいたある日、不思議な力を持つ霊媒師と出会って弟子入りを志願し・・・。

 表面的に判断すれば、ジャンルとしては怪奇物ということになりそうですが、それよりも旧時代に生きた女性の辛さ・悲しさが印象に残り、物語の進行とともに怖さ以上に重苦しさが増していきます。

 絵がきれい。描線が端整です。

 日本ではあまり知られていない清朝のころの風俗・習慣が描かれていて、興味深いです。お話の途中にそうしたことの解説もいくつか挟み込まれているのもよいです。

 お話の運びは少々強引な気がしますが、おもしろいです。作者の他の作品も読んでみたいです。