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開店休業の記

今日の本

絶望を希望に変える経済学

 『絶望を希望に変える経済学』(アビジット・V・バナジー/エステル・デュフロ:著 日本経済新聞出版)、読了。

 2019年ノーベル経済学賞を受賞した二人の経済学者による、「現代の重大な問題に対して、経済学は何が言えるのか」という一般向けの本です。

 本書によると、2017年に行われたインターネットでの世論調査にあった「以下の職業の人たちがそれぞれ自分の専門分野についての意見を述べた場合、あなたは誰の意見をいちばん信用しますか?」という質問で、1位を獲得したのは看護師で84%が信用すると回答したそう。これに対し、経済学者は25%で下から2番めだったそう・・・。ちなみに最下位は5%の政治家で、これはまぁ、わかります。

 そんな経済学ですが、いろいろな問題についてちゃんと有用な成果もあげているんですよ、というわけで、移民、自由貿易、経済成長、気候変動などについて、最新の経済学の観点から論じていきます。

 なかなか中身の濃い本で、あまりに多くのことが盛り込まれているので、個人的にはちょっと消化不良気味。でも、難解というわけではなく、文章もお堅い内容にしては読みやすい方だと思います。

 一つ思ったのは、経済学って心理学に通じるものがあるのではないかと。