
『松江ふるさと文庫3 増補改訂版 松江藩の財政危機を救え』(乾隆明:著 松江市教育委員会)、読了。
片付けしてたら出てきました。10年ほど前に島根県松江市に行った時に、お城の売店で買ったのかな? 買ってそのままになっていました。60ページほどの小冊子です。せっかく出てきたので読んでみることに。
著者は地元・松江の郷土史家です。
松江藩は寛永以降、結城秀康の子孫である雲州松平家が治めていましたが、入封当初から財政が苦しかったのが年を追って悪化していき、6代の宗衍(むねのぶ)のころには幕府から資金援助を仰ぐ有様でした。これではいけないと藩政改革に乗り出すのですが、失敗。「出雲の殿様は破産」とまで噂されるようになってしまいました。
そんな松江藩が再度改革に挑み、幕末期には外部の観察者から「出雲の国民は富裕に暮らしている」と記録されるまでになりました。その過程を史料を元に解説したものです。
読みやすく、なかなかおもしろい。ごく短いものですので、駆け足の記述となっており、松江藩の改革の全貌を把握するには足りないでしょうが、その概要を知ることができます。