
『アメリカン・マスターピース 古典篇』(柴田元幸:編訳 スイッチ・パブリッシング)、読了。
以前読んだ『ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース』の姉妹編です。ただし、発売されたのはこちらが先です。
同じ英語の文学ではありますが、こっちは書名のとおり、アメリカの作家の手による名作短編を集めたものです。8人の作家が取り上げられています。
冒頭のホーソーンの「ウェイクフィールド」、最後に、ポンと、読み手が放置される感じですが、いいですね、こういうの。好き嫌いが分かれる作品かもしれませんが、想像は広がります。
ポーの「モルグ街の殺人」は有名ですけど、読んだことありませんでした(苦笑)。短い、こういうお話だったのね。当時は革新的だったのかもしれないけど、今読む分にはどうだろう?
「書写人バートルビー」、「バートルビー」ってどっかで聞いたことがあった・・・、『吉野朔実は本が大好き〔吉野朔実劇場 ALL IN ONE〕』だ。あれに「書かない、あるいは書かなくなった作家のことをバートルビー族というらしい」ってありました。よく見たら「メルヴィルの物語に登場する事務員の名前らしい」ともありました。これですね。
エミリー・ディキンソンの詩は・・・、よくわかりません・・・(無念)。
マーク・トウェインのは、「編訳者あとがき」にあるとおり「馬鹿っぽい」です。
ヘンリー・ジェイムズの「本物」は、個人的にひたすら居心地が悪く、おまけによくわかりませんでした。
O・ヘンリーの「賢者の贈り物」は・・・、この話、読んだことないはずなのに知ってるぞ、知ってる! なぜだ?
「古典」ということで『ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース』や『短編ミステリの二百年 1』の諸作品にも通じる、まさに「時代がかった」仰々しさにはどうもなじめないのですが、ジャック・ロンドンのは現代的な感じを受けます。100年以上前の作品だそうですけど。
本書は『古典篇』となっていますが、引き続き『準古典篇』、『現代篇』の計画があるそうです。そちらも読んでみようかな。