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開店休業の記

今日の本

入門 モダンLinux

 『入門 モダンLinux』(Michael Hausenblas:著 武内覚・大岩尚宏:訳 オライリー・ジャパン)、読了。

 書名から、初心者向け Linux 解説本かと思われてしまいそうですが、Linux を使ったことがない人が最初の一冊として読むものではないと思います。

 「モダン」とついているところがポイント。Linux も登場から30年が経過しました。そこで、Linux を支える基本的な技術を簡潔に説明しつつ、あわせてそれらの最新事情も紹介する、という内容になっています。原著は2022年に出たものなので、現時点でもほぼ最新に近いと言っていいと思います。

 個人的に向いていると思う読者は、ある程度 Linux を使った経験があるけど、その基礎を勉強したのはだいぶ前で、おさらいもしたいし、最近はなんだか使い方がいろいろ変わってきたみたいだから、そのへんも知っときたい、という人。けっこう微妙な線だ(苦笑)。書名だけ見ていきなり買うのでなく、とりあえず目次までは見てから買った方がいい本というか。

 220ページ程度という、さほど分量はない本なので、取り上げられている各機能・技術について、あくまで概要の説明というレベルにとどまっています。したがって、突っ込んだところを知りたいならそれぞれについて別書をあたる必要があるので、上級者には物足りないでしょう。といって Linux のインストールの方法から始まるような本でもなく、完全初心者の手には余るだろうなというものです。わたし自身はけっこう参考になりましたし、まとまりはいいので、手元において「あれってどういうものだっけ?」と思った時にさっと調べるのに重宝するかも、という印象はもっているのですが。