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開店休業の記

今日のネット配信

映画『はりぼて』予告編

 無料で配信されているということで(また、ケチ臭いことで)、日本の映画を1本観てみました。ネット配信で映画は『シュガー・ラッシュ』以来かな。

 『はりぼて』、2020年の作品です。

 2016年8月、富山県のローカルテレビ局が「ある富山市議が政務活動費について事実と異なる報告していた」とスクープ報道したことをきっかけに、次々と不正が発覚し、半年の間に14人の市議会議員が辞職するという異常事態に。その後、富山市議会は政務活動費の使い方について「全国一厳しい」といわれる条例を制定するが・・・。

 娯楽作品ではありません。ドキュメンタリーです。

 内容が内容なもので、画面に写るのは市議会の議場だったり、市の事務室だったり、殺風景な場所ばかり。フィクションではありませんから、登場人物は眉目秀麗な俳優方などではなく、実在の市議会議員を始めとする関係者(これが見事におじさん、じいさんばかりで、日本のある側面を、これだけで思い知らされます)です。

 なので、映像的には夕〜夜のニュースや報道番組の政治関連でよく見るような、パッとしない、およそ面白味のないものが延々と続きます。

 でも、1時間40分が全然長く感じませんでした。

 「えっ? えっ? はぁっ!?」

 1時間40分、ひたすら、コレでした。

 前述のとおり、極北的に地味ィ〜な映像といかにもドキュメンタリーらしい堅苦しい作り、音楽だけはちょっとおトボケ風とはいえ、お笑いを狙った作品ではもちろんないはずですが、・・・笑えます。失笑、失笑、また失笑というか。

 不正をするにしても底が浅いというか。緻密で巧妙ならいいって話ではないですが。お手盛りと馴れ合いとその場しのぎに終始する議員たちもまあ呆れたものですが、白紙の領収書渡しちゃう会社とか守秘義務に反して情報を他に漏らしてしまう市職員とか、「あんたたち、少し考えればやっちゃいけないってわかるでしょ? もっとちゃんとやろうよ!」と言いたくなるんですが、これ、言われなきゃいけないような年齢の人たちじゃないはずなんだけどな・・・。立派な大人のはずなんだけどな。

 とはいえ、これ観て笑ってるだけのわたしたちもなんだかんだで結局共犯者かも、という気もしないでもないです。最後はみんなで地獄行きかしら?

 本筋とはあまり関係がありませんが、テレビ局もローカルだと社員70人程度なのね(作品の中で出てきます)。そんなもんなんだ。

 作品の中ではあまり描写されていませんですが、この人員で市議会議員全体の政務活動費のチェックって大変なはず(わたしは元事務職なので、そおいうとこが気になる)。金額のつじつまが合っているかはもちろん、使われた場所、使途、日付等々を規定に照らして確認していくことになるので、確定申告何十人分何年分をまとめて処理するようなものではないでしょうか。会社づとめで確定申告したことないのでよくわからないという方は、自分の給与明細1年分と保険料の証明書とか医療費の領収書とか写しとっといて、一度、申告の手引(ネットにあります)見ながら試しに自分でやってみるとわかりますよ。めんどくさいから、あれ。

 フェイクニュースに対抗するためにはファクトチェック、なんてこともよく言われますが、ファクトチェックには手間もヒマもかかります。フェイクニュース量産する方がよっぽど楽なはず、多分。

 なんてことを考えました。

 一見の価値のある映画です。機会があるならぜひ。