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開店休業の記

今日の音楽 ー ひたすらオラオラ

All Through The City

 パブ・ロックのコンピレーション "Surrender To The Rhythm" 収録アーティストから、気になった人たちシリーズです。

 今回は Dr. Feelgood 。2012年に出た編集盤 "All Through The City" です。全盛期と見なされる Wilko Johnson 在籍時の音源、デビュー〜4枚目までのアルバムにライブ、アルバム未収録曲収録のCD3枚に、TV出演やライブの映像を集めたDVDを加えたてんこ盛りセットです。

 CD、通して聴いてみると、根っこにあるのは1950年代〜1960年代前半あたりのシンプルなロックンロールかな、と感じます。ただ、受ける印象はあの時代のおおらかな感じとはえらく違いますけど。

 硬めのタテノリのリズムは性急。Wilko Johnson のギターは、目につくもの、片っ端からナタでぶった斬っているよう。ボーカルの Lee Brilleaux はドスをきかせたヤクザ声だし( Disc 3 の15曲め "I'm A Hog For You Baby" で聞こえる笑い声は、昔のアニメに出てくる悪の秘密組織の首領だよ)。端的に言って、粗暴にして不穏。

 DVDのライブ映像を観れば、客席を威嚇するような動きを繰り返す Wilko Johnson に、拳を振り上げ振り上げ何かの発作寸前に見える Lee Brilleaux 。二人とも目が据わってるもんな(インタビュー時は二人とも全然雰囲気が違ってて、特に Wilko Johnson は意外と笑顔がカワイイ)。

 いかなるオシャレ空間も一瞬で鉄火場に変えてくれそうな音楽です。そういうつもりで聴きましょう。