
『シリーズ戦争学入門 近代戦争論』(リチャード・イングリッシュ:著 矢吹啓:訳 創元社)、読了。
同シリーズ、4冊め。
著者は北アイルランド出身の歴史・政治学者です。
実質150ページとこのシリーズの他書同様、文章量は少ない本ですが、読みにくい。文章自体が読みにくい文体ということもありますし、まず「近代戦争」の定義から始まるのですが、予想されるようにそれがまず簡単ではないということもあり(定義しにくい概念であると提示することにも意味があるとは思いますが)、それに引きづられるかのように後続の章も明快さを欠く印象になっています。正直、内容があんまり頭に入りませんでした。
ただし、終わり近くになって論じられる「テロ対策の歴史的フレームワーク」は7つの原則をあげて、それぞれにわかりやすい解説をしており、参考になりました。このへんは「近代」というより、ほぼ「現代」という気がします。結論部でも今後の重要な問題としてテロリズムをあげています。
原書の出版は2013年。その時点では、著者は9・11後のアフガニスタンでの対テロ作戦を一応収穫ありと評価しているようですが、10年後の今のアフガニスタンの状況を考えると、なかなか苦いものが・・・。
今日の本 ‐ 『シリーズ戦争学入門 戦争と技術』