
『統一教会 何が問題なのか』(文藝春秋:編 文藝春秋)、読了。
月刊誌『文藝春秋』の2022年9月号・10月号での統一教会関連特集記事を中心に新書用に編集したもの。統一教会信者の子による元首相暗殺という衝撃的な事件が起きたのが2022年7月で、本書の出版は同年11月。「統一教会って何?」という、突然生じた巨大な情報需要に対し、「とにかく、出せるものをなんか出そう!」という出版社の必死の場つなぎ仕事、の感は拭えませんが、一刻も早く、っていう状況だったのは理解できますので、まあ、しかたがない。元が雑誌記事の流用で、各章の著者もバラバラ、1992年に発表された古い記事も混ざってたりで、内容にあまりまとまりはないですが、読みやすくはあるので、とっかかりとしてはそれなりに役に立つかと。
わたしが大学に入学したころ、学校の先輩から「原理研はやべぇーから近づくな」と何度も言われたのをおぼえています。当時は何のことかよくわからないまま、学内で何かアブないサークル活動している連中がいるのか、くらいの認識でした。幸い、関わり合いになることもありませんでしたし。今更なのですが、あの事件があって統一教会関連の報道が相次ぐ中で、原理研というのが統一教会が大学生向けに組織したサークルだったと初めて知り、慄然とした次第です。先輩、忠告、ありがとうございました。
しかし、その当時から怪しい団体といわれていたわけですし、その後も霊感商法で社会問題にもなり、オウム真理教の事件もあったのに、カルトの問題、もっと早く対処できなかったものか・・・。